「生活とセキュリティ / LIFE+Security」シリーズでは、主に私たちの生活に密接に関わるセキュリティに関連した用語を解説致します。
今回のキーワードは「ワンタイムパスワード(OTP・二段階認証)」です。
大まかに説明すると
「ワンタイムパスワード(One Time Password)」とは、その名の通り「一度(ワンタイム)しか使えない、使い捨てのパスワード」のことです。
これは攻撃手法ではなく、私たちを守るための強力な防御技術です。
IDとパスワードでのログインに加えて、「今、あなたのスマホだけに送られた6桁の数字」などを入力させます。
この仕組みを「二段階認証」と呼びます。
万が一パスワードが盗まれても、このOTPがなければログインできないため、不正アクセスやアカウント乗っ取りを防ぐ最強の対策となります。
ワンタイムパスワード (OTP) とは? ~最強の「追加の鍵」を手に入れよう~
はじめに
「不正アクセス」や「アカウント乗っ取り」などの攻撃から私たちを強力に守ってくれる、「防御」のための技術、「ワンタイムパスワード(OTP)」について解説します。
皆さんも「二段階認証」という言葉なら聞いたことがあるかもしれません。
その中心となるのが、このワンタイムパスワード(OTP)です。
「ワンタイムパスワード(OTP)」って何?
「ワンタイムパスワード(One Time Password)」を直訳すると、「一度きりのパスワード」です。
その名の通り、「一度しか使えない、使ったら無効になる、使い捨てのパスワード」のことを指します。
皆さんが普段使っているパスワードは、一度設定したら(変更しない限り)ずっと同じものを使い続けますよね?
しかし、ワンタイムパスワードは、ログインしようとする「その時」にだけ発行され、しかも有効期限が非常に短い(多くは30秒~数分間)のが特徴です。
「二段階認証」との関係は?
このOTPが使われるのが、まさに「二段階認証(または多要素認証)」という仕組みです。
これは、ログインを「二段階」に分けることで、セキュリティを高める方法です。
第一段階:知識による認証
「あなただけが知っている情報」で認証します。
これが通常の「IDとパスワード」です。
第二段階:所持による認証
「あなただけが持っているモノ」で認証します。
ここで「ワンタイムパスワード」が登場します。
例えば
銀行のATMでお金をおろす時を想像してください。
「キャッシュカード」(あなただけが持っているモノ)を入れ、さらに「暗証番号」(あなただけが知っている情報)を入力しますよね?
両方そろわないとお金はおろせません。
ネットサービスにおけるワンタイムパスワードの二段階認証も同じです。
IDとパスワードを入力した後、さらに「あなたのスマホ」にだけ送られてくる「6桁の数字(ワンタイムパスワード)」の入力を求められます。
もしパスワードがバレたら…?
ここで、二段階認証のすごさを考えてみましょう。
あなたが「パスワードリスト攻撃」や「ブルートフォース攻撃」によって、不幸にもIDとパスワードが攻撃者にバレてしまったとします。
<二段階認証を設定していない場合>
攻撃者は、あなたのIDとパスワードで簡単にログインできてしまいます。
→(結果)不正アクセス、アカウント乗っ取りが成功。
<二段階認証を設定している場合>
攻撃者があなたのIDとパスワードでログインしようとします(第一段階)。
すると、サービスは「第二段階」として、「あなたのスマホに送ったワンタイムパスワード(6桁の数字)を入力してください」と要求します。
攻撃者は、あなたのスマホ(持っているモノ)までは盗んでいません。
そのため、ワンタイムパスワードが分からず、ログインすることができません。
→(結果)不正アクセス、アカウント乗っ取りは失敗します。
ワンタイムパスワードはどうやって受け取るの?
OTPを受け取る方法は、主に2つあります。
まとめ
「ワンタイムパスワード(OTP)」を利用する「二段階認証」は、IDとパスワードが万が一漏れてしまった時の「最後の砦」であり、アカウント乗っ取りを防ぐための最強の防御策です。
設定は少しだけ面倒に感じるかもしれませんが、その一度の手間で、あなたの大切なアカウント、個人情報、そして友人関係を、未来にわたって守ることができます。
皆さんが使っているSNSやゲーム、ネットショッピングのサイトで「二段階認証」や「2ステップ認証」という設定項目があったら、ぜひ設定するようにしてください。
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アカウントと認証
目標「オンラインサービスを安全に利用するための基本を理解する。」
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。



