「生活とセキュリティ / LIFE+Security」シリーズでは、主に私たちの生活に密接に関わるセキュリティに関連した用語を解説致します。
今回のキーワードは「生体認証」です。
大まかに説明すると
生体認証は、指紋、顔、虹彩、声など、個人固有の身体的特徴を使って本人確認を行う技術です。
「知識情報(パスワード)」や「所持情報(スマホ)」とは異なる「生体情報」を用いる認証方法で、利便性が高く、なりすましが困難な点が特長です。
スマートフォンのロック解除や、イベント会場の入場管理など、幅広い分野で活用が進んでいます。
生体認証とは?自分自身が「カギ」になる未来の認証
はじめに
皆さんは毎日、スマートフォンを何でロック解除していますか?
指紋や顔で「ピッ」と解除している人も多いのではないでしょうか。
それがまさに「生体認証」です。
パスワードを覚えたり、カードを持ち歩いたりする必要がない、非常に便利なこの技術について詳しく見ていきましょう。
生体認証とは?
生体認証は、認証の3要素のうち「生体情報(Something You Are)」、つまり本人固有の身体的な特徴や行動的な特徴を利用して本人確認を行う仕組みです。
一人ひとり異なり、基本的には生涯変わらない情報を使うため、偽造やなりすましが非常に難しいという特長があります。
生体認証には、様々な種類があります。
- 指紋認証
- 指先の紋様(指紋)で認証します。スマートフォンで最も普及しています。
- 顔認証
- 顔の骨格やパーツの位置関係を読み取って認証します。iPhoneのFace IDが有名ですね。
- 虹彩認証・網膜認証
- 目の虹彩(黒目の周りの模様)や網膜の血管パターンで認証します。非常に精度が高いのが特徴です。
- 静脈認証
- 手のひらや指の静脈のパターンで認証します。銀行のATMなどで利用されています。
- 声紋認証
- 声の周波数や波形といった特徴で認証します。
生体認証のメリットとデメリット
自分自身がカギになる生体認証には、良い点と注意すべき点があります。
メリット
- 利便性が高い
- パスワードのように覚えたり、スマホのように持ち歩いたりする必要がありません。
- 忘れる心配も紛失の心配もありません。
- なりすましが困難
- 指紋や虹彩は偽造が極めて難しく、セキュリティが高いです。
デメリット
- 情報漏洩時のリスク
- 万が一、指紋や顔のデータが漏洩してしまった場合、パスワードのように「変更する」ことができません。
- 一生使い続けなければならない情報だからこそのリスクです。
- 認証エラーの可能性
- 怪我で指紋が変わったり、マスクや眼鏡で顔が認識されなかったり、体調によって認証できない場合があります。
- プライバシーへの懸念
- 顔などの個人情報を登録することに抵抗を感じる人もいます。
まとめ
生体認証は、利便性と安全性を両立する優れた技術であり、私たちの生活のあらゆる場面で活用が広がっています。
しかし、その手軽さの裏には、一度漏洩すると取り返しがつかないというリスクも存在します。
多くの場合、生体認証はパスワードなど他の要素と組み合わせた多要素認証の一部として使われます。
その仕組みとリスクを正しく理解し、賢く利用していくことが大切です。
本キーワードの関連情報
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カテゴリ:私たちの生活に密接に関わるセキュリティ
アカウントと認証
目標「オンラインサービスを安全に利用するための基本を理解する。」
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。