「生活とセキュリティ / LIFE+Security」シリーズでは、主に私たちの生活に密接に関わるセキュリティに関連した用語を解説致します。
今回のキーワードは「パスワード」です。
大まかに説明すると
パスワードとは、IDとセットで使われる、本人確認のための「秘密の文字列」です。
サービスにログインする際、正しいIDとパスワードを入力することで、システムは「IDの持ち主本人だ」と判断します。
これはあなたの大切なアカウント情報を守るための「鍵」の役割を果たします。
他人に知られると、不正ログインやなりすましなどの被害に遭う危険があるため、長く、複雑で、他のサービスで使い回さない「強力なパスワード」を設定し、厳重に管理することが極めて重要です。
はじめに
IDがアカウントの「名札」だとしたら、今回解説する「パスワード」は、そのアカウントという部屋に入るための「鍵」や「秘密の合言葉」にあたります。
いくら立派な名札が付いていても、誰でも入れるドアでは意味がありませんよね。
パスワードは、あなたの情報を守るための最後の砦であり、セキュリティの要です。
その重要性と、安全なパスワードの作り方について学んでいきましょう。
パスワードの役割
パスワードの役割は、たった一つ。
「IDの持ち主本人であることを証明する」ことです。
サービスにログインするとき、あなたはIDを入力して「私は〇〇です」と名乗ります。
しかし、それだけでは、他の誰かがあなたのIDを使ってなりすましている可能性を否定できません。
そこで、あなたしか知らないはずの「秘密の合言葉=パスワード」を入力させることで、サービス側は「ああ、この合言葉を知っているなら、間違いなく本人だな」と判断し、ログインを許可するのです。
この仕組みを「認証」と呼びます。
もしこのパスワードが他人に知られてしまったら、どうなるでしょうか?
あなたのSNSアカウントが乗っ取られて勝手な投稿をされたり、ネットショッピングのアカウントで知らないうちに買い物をされたり、保存しているプライベートな写真やメッセージを盗み見られたりする可能性があります。
パスワードを守ることは、あなたのデジタル世界での財産とプライバシーを守ることに直結するのです。
絶対にやってはいけない!危険なパスワード
残念ながら、多くの人が危険なパスワードを使っています。
以下のようなパスワードは、攻撃者にとって「鍵が開いている」のと同じ状態です。
- 短すぎる:
abc
や1234
など。コンピュータを使えば一瞬で解読されます。 - 単純な単語:
password
guest
qwerty
(キーボードの左上の並び)など。 - 個人情報から推測できるもの: 自分の名前、誕生日、ペットの名前、好きなキャラクター名など。
- 複数のサービスでの「使い回し」: これが最も危険です。あるサービスからIDとパスワードの組み合わせが漏洩(ろうえい)すると、攻撃者はそのリストを使って他の様々なサービスへのログインを試みます(これをクレデンシャルスタッフィング攻撃と言います)。
安全なパスワードの3原則
では、どうすれば安全なパスワードを作れるのでしょうか?答えはシンプルで、以下の3つの原則を守ることです。
長さ(Length)
長くする。8文字より10文字、10文字より12文字と、長ければ長いほど解読が困難になります。まずは12文字以上を目指しましょう。
複雑さ(Complexity)
英大文字、英小文字、数字、記号を混ぜる。文字の種類が多いほど、組み合わせの数が増えて安全になります。
独自性(Uniqueness)
サービスごとに違うパスワードを設定する。絶対に使い回しはしないでください。
「そんなにたくさんの複雑なパスワードは覚えられない!」と感じるのが普通です。
そこで、パスワード管理ツール(アプリ)を使うのがおすすめです。
安全なパスワードを自動で作成し、暗号化して記憶してくれるので、人間はマスターパスワードを一つ覚えるだけで済みます。
まとめ
パスワードは、あなたの大切なデジタル資産を守るための「鍵」です。
その鍵が脆弱だったり、使い回されたりしていると、いつでも空き巣に入られる危険があるのと同じです。
「長く、複雑に、使い回さない」という3原則を徹底し、あなたのアカウントをしっかりと守りましょう。
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カテゴリ:私たちの生活に密接に関わるセキュリティ
アカウントと認証
目標「オンラインサービスを安全に利用するための基本を理解する。」
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。