《 iパス用語解説》最低賃金とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

最低賃金
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「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「最低賃金」です。

大まかに説明すると

「最低賃金」とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、会社(使用者)が労働者に対してそれ以上の賃金を支払うことを義務付ける制度です。

正社員はもちろん、アルバイトやパート、派遣社員などすべての労働者に適用されます。

たとえ労使間で合意があっても、最低賃金を下回る契約は法律上無効となります。

本記事では、最低賃金の具体的な仕組みや種類、そして私たちが社会で働く上でなぜこの制度を学ぶ必要があるのかを解説します。

最低賃金とは何か

給与(賃金)について、「最低でもこの金額以上は支払わなければならない」と国が法律で定めている基準が「最低賃金」です。

最低賃金制度は「最低賃金法」という法律に基づき、賃金の最低額を保障することで、労働者の生活の安定や労働力の質の向上、企業間の公正な競争を確保することを目的としています。

正社員だけでなく、契約社員、パートタイム労働者、アルバイト、派遣社員など、雇用形態にかかわらずすべての労働者に適用される非常に強力なルールです。

最低賃金の2つの種類

最低賃金には、大きく分けて「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。

1つ目の「地域別最低賃金」は、産業や職種に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者に適用されます。

物価や生活費の違いなどを考慮して、都道府県ごとに異なる金額が設定されています。

2つ目の「特定最低賃金」は、特定の地域内の特定の産業について、関係労使の申し出に基づき、地域別最低賃金よりも高い水準で設定されるものです。

この2つの最低賃金が同時に適用される場合は、高い方の金額以上の賃金を支払う必要があります。

最低賃金を下回る契約はどうなるのか

例えば、「うちは経営が厳しいから、最低賃金以下の時給で働いてくれないか」と会社に頼まれ、労働者が合意して労働契約を結んだとします。

しかし、このような契約は法律によって無効とされます。

無効となった部分は、最低賃金額と同額で約束したものとみなされるため、労働者は後から最低賃金との差額を会社に請求することができます。

また、派遣社員として働く場合、派遣元ではなく、実際に働く「派遣先」の地域の最低賃金が適用される点も重要です。

最低賃金以上の賃金を支払わない会社には、罰則(50万円以下の罰金など)も設けられています。

なぜ「最低賃金」について学ぶのか

IT業界をはじめ、現代のビジネス環境では、一つのプロジェクト内に正社員、派遣社員、アルバイトなど、多様な働き方をする人々が混在しています。

私たちが最低賃金について学ぶ理由は、第一に「自分自身の生活と権利を守るため」です。

最低賃金は、景気や企業の都合によって賃金が不当に引き下げられ、生活が成り立たなくなることを防ぐためのセーフティネットです。

地域の最低賃金を知っておくことは、不適切な労働条件を見抜く第一歩となります。

第二に、「コンプライアンス(法令遵守)の意識を持つため」です。

将来、皆さんがプロジェクトのリーダーとしてチームを管理する立場になったとき、労働関連法規の知識は不可欠です。

法令を知らずに最低賃金を下回る条件で人を働かせれば、企業にとって重大な法令違反となります。

働く人を尊重し、適正な労働環境を維持することは、健全な企業活動の基盤なのです。

【まとめ】

最低賃金は、国が定めた賃金の下限であり、すべての労働者の生活を守るための重要な制度です。

都道府県ごとに定められる「地域別最低賃金」や産業ごとの「特定最低賃金」があり、これらを下回る労働契約は労使の合意があっても無効となります。

私たちがこの制度を学ぶ理由は、自分自身の正当な権利を守るためだけでなく、将来、共に働くチームメンバーの適正な労働環境を確保し、コンプライアンスを遵守できる社会人になるためです。

ビジネスの基本ルールとして、しっかりと理解しておきましょう。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ

ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」

6. 労働関連・取引関連法規

目標

  • 身近な労働関連法規の概要を理解する。
  • 身近な取引関連法規の概要を理解する。

説明

労働条件や取引に関する条件を整備し、働き方改革を推進するためにも、労働関連法規、取引関連法規があることを知り、その概要を理解する。

(1) 労働関連法規

  • 労働契約法、労働基準法、労働者派遣法などの基本的な考え方。
  • 労働安全衛生法、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)など、労働者の安全、心身の健康、雇用の安定化、職業生活の向上を目的とした法律があること。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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