「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「フレックスタイム制」です。
大まかに説明すると
フレックスタイム制とは、あらかじめ定められた総労働時間の範囲内で、働く人が日々の始業・終業時刻や労働時間を自分で決めることができる制度です。
必ず働かなければならない「コアタイム」と、いつ出退社してもよい「フレキシブルタイム」を設けるのが一般的です。
仕事とプライベートのバランスを取りやすく、効率的に働けるメリットがあります。
これから社会に出るにあたり、自分に合った多様な働き方を選択し、自分自身の権利を守るために、この制度の仕組みや労働法規の基礎について学ぶことが重要です。
多様な働き方を叶える「フレックスタイム制」とは
私たちが会社で働くとき、通常は「朝9時から夕方17時まで」というように、1日の働く時間が固定されています。
しかし「フレックスタイム制」は、1日の労働時間の長さを固定的に定めず、例えば「1か月の総労働時間は160時間」と一定期間の労働時間だけを定めておき、その範囲内で、毎日の始業・終業時刻を働く人が自分で決めることができる制度です。
一般的なフレックスタイム制では、1日の時間を2つに分けています。
1つは「コアタイム」と呼ばれる、必ず勤務していなければならない時間帯です。
もう1つは「フレキシブルタイム」と呼ばれる、その時間帯の中であればいつ出社・退社してもよい時間帯です。
例えば、「コアタイムは10時から15時、フレキシブルタイムは始業が午前6時から10時、終業が午後3時から午後7時」といったルールが決められます。
もちろん、コアタイムを設けず、すべてをフレキシブルタイムにすることも可能です。
職場でどのように活用されているか
この制度の最大のメリットは、仕事と生活の調和(ワークライフバランス)が図りやすくなることです。
例えば、「今日は役所や病院に寄ってから出社したい」「満員電車を避けて早めに出社し、早めに退社したい」「資格の勉強をするために、今日は早く帰って明日は長く働く」といった、個人の生活事情に合わせた柔軟な対応が可能になります。
特にIT業界では、パソコンとネットワーク環境があれば仕事が進めやすい職種も多く、個人の集中力や業務の進捗に合わせて働く時間を調整しやすいことから、フレックスタイム制を導入している企業が非常に多いのが特徴です。
フレックスタイム制のデメリット
フレックスタイム制(変形労働時間制を含む)のデメリットや注意点として、以下のような点が挙げられています。
労働者側のデメリット
生活が不規則になる可能性
働く時間を柔軟に調整できる反面、生活リズムが不規則になりやすいという問題点があります。
時間外手当への影響
通常の固定的な労働時間制であれば受け取れるはずの時間外手当(残業代)が、もらえなくなってしまうことにつながるケースがあります。
会社側のデメリット・留意点
労働時間管理や賃金清算の手間
始業・終業時刻の決定を労働者に委ねる制度ですが、会社は労働時間の管理をしなくてよいわけではありません。
実際の労働時間を正確に把握し、適切な労働時間の管理を行う必要があります。
また、あらかじめ定めた総労働時間に対して実際の労働時間に過不足が生じた場合、超過分の賃金の追加支払いや、不足分の賃金控除(または翌月への繰り越し)といった賃金清算の手間がかかります。
なぜ「フレックスタイム制」を学ぶのか?
皆さんがこれから社会に出て働く際、必ずしも全員が同じ時間に同じ場所で働くわけではありません。
多様な働き方が広がる現代において、企業がどのような制度を用意しているかを知ることは、自分自身のライフスタイルに合った職場を選ぶための大きな基準になります。
また、フレックスタイム制は「労働基準法」などの労働関連法規に基づいて運用されています。
企業がこの制度を導入するには、就業規則に規定し、労使協定を結ぶというルールがあります。
こうした法律の知識を持っていれば、自分が不当な労働条件で働かされていないかを確認でき、自分自身の身を守ることにつながります。
さらに、システムを開発するITエンジニアの視点で見ても、顧客の勤怠管理システムなどを正しく設計するためには、こうした労働関連法規の知識が欠かせない基盤となります。
まとめ
フレックスタイム制は、あらかじめ決められた一定期間の総労働時間の範囲内で、働く人が日々の始業・終業時刻を自分で決定できる制度です。
仕事とプライベートの両立を助け、効率的に働くための仕組みとして、デメリットもありますが、多くの企業で導入されています。
これから働く皆さんにとって、この制度の仕組みや労働ルールを理解しておくことは、自分らしく、そして安心して働き続けるために非常に大切です。
ぜひ、働く前の基礎知識として覚えておいてください。
本キーワードの関連情報
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試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ
ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
6. 労働関連・取引関連法規
目標
- 身近な労働関連法規の概要を理解する。
- 身近な取引関連法規の概要を理解する。
説明
労働条件や取引に関する条件を整備し、働き方改革を推進するためにも、労働関連法規、取引関連法規があることを知り、その概要を理解する。
(1) 労働関連法規
- 労働契約法、労働基準法、労働者派遣法などの基本的な考え方。
- 労働安全衛生法、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)など、労働者の安全、心身の健康、雇用の安定化、職業生活の向上を目的とした法律があること。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。




