「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「労働基準法」です。
大まかに説明すると
労働基準法は、働く人を守るために「賃金」や「労働時間」などの最低限のルールを定めた法律です。
社会に出て働いている皆さんにとって、自分自身の身を守るための重要な知識となります。
IT業界でもシステム開発などで長時間労働になりやすい傾向があるため、正しい労働環境を作るために、この法律の理解が欠かせません。
本記事では、労働基準法の基本ルールと、会社における重要性を分かりやすく解説します。
労働基準法とは
働くときには「労働契約」という約束を会社と結びます。
しかし、会社と労働者では、どうしても雇う側の会社の方が立場が強くなりがちです。
もしルールがなければ、「休みなしで働きなさい」「給料はとても安くするね」といった無理な条件を押し付けられてしまうかもしれません。
そうした事態を防ぎ、働く人を保護するために作られたのが「労働基準法」です。
この法律は、労働時間、休憩、休日、賃金などについて「最低限これだけは守りなさい」という基準を定めています。
もし会社がこの基準を下回る不当な条件で契約を結ばせたとしても、その部分は法律によって無効となり、労働基準法で定められた最低基準が適用される仕組みになっています。
皆さんが安心して働くための、強力な「盾」になる法律なのです。
会社で労働基準法が重要な理由
なぜITの試験で法律、それも「労働基準法」を学ぶのでしょうか。
例えば、IT業界といえば、パソコンに向かって最先端のシステムやアプリを作ったり、お客様の環境をIT/ICTで改善していくスマートな仕事、というイメージがあるかもしれません。
しかし、どんな仕事にでも厳しい締め切り(納期)があり、時には予期せぬエラー(バグ)の対応に追われることもあります。
そのため、「長時間労働」になりやすい職場環境、状況というものがあります。
現在では、働き方改革が進んでいますが、それでも「働く環境を正しく管理する」ことは非常に重要です。
素晴らしいITシステムを作るのも、様々なサービスを提供するのも、結局は「人」だからです。
働く際には、自分やチームのメンバーが心身ともに健康に働き続けるために、労働基準法の知識が必須になるのです。
知っておきたい労働基準法の基本ルール
ここで、働くうえで絶対に知っておきたい労働基準法の代表的なルールをいくつか紹介します。
労働時間と休日
働く時間は、原則として「1日8時間以内、1週間で40時間以内」と決められています(これを法定労働時間といいます)。
また、休日は「毎週少なくとも1回(または4週間を通じて4日以上)」与えなければなりません(法定休日)。
36協定(サブロク協定)
上記の法定労働時間を超えて残業(時間外労働)をさせる場合、会社はあらかじめ労働者の代表と「時間外・休日労働に関する協定」を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。
この協定は労働基準法第36条に規定されているため、「36協定(サブロク協定)」と呼ばれます。
割増賃金
もし時間外労働や休日労働、または深夜(午後10時から午前5時)に働いた場合は、会社は通常の賃金よりも高い「割増賃金(残業代など)」を支払う義務があります。
まとめ
労働基準法は、IT業界に限らず、社会に出て働くすべての人にとって、自分の権利を守るための基礎知識となります。
ITの知識とあわせて、働く人を守るルールの存在もしっかりと覚えておきましょう。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ
ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
6. 労働関連・取引関連法規
目標
- 身近な労働関連法規の概要を理解する。
- 身近な取引関連法規の概要を理解する。
説明
労働条件や取引に関する条件を整備し、働き方改革を推進するためにも、労働関連法規、取引関連法規があることを知り、その概要を理解する。
(1) 労働関連法規
- 労働契約法、労働基準法、労働者派遣法などの基本的な考え方。
- 労働安全衛生法、労働施策総合推進法(パワハラ防止法)など、労働者の安全、心身の健康、雇用の安定化、職業生活の向上を目的とした法律があること。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。



