「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「特定電子メール法(迷惑メール防止法)」です。
大まかに説明すると
「特定電子メール法(迷惑メール防止法)」は、営利目的の広告・宣伝メール(迷惑メール)を規制する法律です。
この法律の最重要ポイントは、原則として「オプトイン」方式を採用している点です。
「オプトイン」とは、メールを送信する前に、受信者から「送ってもよい」という事前の同意を得ることです。
同意のない相手に一方的に送ることは原則禁止されています。
また、送信者には、自身の氏名・住所や、受信者が配信停止できる方法(オプトアウトの方法)をメール本文に明記する「表示義務」も課せられています。
はじめに
今日は、私たちの日常にも深く関わっている「特定電子メール法」について解説します。
皆さんのメールボックスにも、登録した覚えのないお店からの広告メールや、海外からの怪しい宣伝メールが届くことはありませんか?こうした「迷惑メール」は、本当に迷惑ですよね。
「特定電子メール法」は、こうした迷惑な広告・宣伝メールを規制するために作られた法律です。
一般的には「迷惑メール防止法」とも呼ばれています。
特定電子メール法とは?
特定電子メール法(正式名称:特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)は、営利を目的とした広告・宣伝メール(これを「特定電子メール」と呼びます)の送信ルールを定めた法律です。
この法律ができる前は、メールアドレスさえ分かれば誰にでも自由に広告メールを送ることができたため、迷惑メールが社会問題化しました。
そこで、受信者を守るために、送信者に厳しいルールを課したのです。
重要な2つのルール:「オプトイン」と「表示義務」
この法律を理解する上で、絶対に欠かせない重要なポイントが2つあります。
原則「オプトイン(Opt-in)」方式の義務化
試験で最も狙われる用語が「オプトイン」です。
- オプトイン(Opt-in): 「メールを送ってください」と、受信者側が事前に送信に同意すること。
特定電子メール法では、広告・宣伝メールは、この「オプトイン」を得た相手にしか送ってはいけない、と定められています。(※名刺交換をした相手など、一部例外はありますが、原則はオプトインです)
昔は、「メールが不要な人は、このボタンを押して配信停止してください」という方式(これを「オプトアウト方式」と呼びます)が主流でした。
しかし、これでは望まないメールが先に届いてしまいます。
そこで法律が改正され、先に「同意(オプトイン)」を得る方式が原則となったのです。
皆さんもネットショップなどで会員登録する際、「メールマガジンを受け取る」というチェックボックスを、自分でクリックしてチェックを入れることが多いですよね?あれが「オプトイン」です。
送信者情報の「表示義務」
広告・宣伝メールには、以下の情報を必ず分かりやすく表示しなければならない、と義務付けられています。
- 送信者の氏名(または名称)と住所
- 苦情や問い合わせを受け付けるための連絡先(電話番号、メールアドレス、URLなど)
- 配信停止の方法(オプトアウトの方法)
メールの最後に「配信停止はこちら」というリンクが必ず付いているのは、この法律で義務付けられているからです。
もし、これらの表示がなかったり、送信元のアドレスを偽装(なりすまし)したりすると、法律違反となります。
ポイント
以下の用語を正確に覚えましょう。
- 特定電子メール法:迷惑メール(広告・宣伝メール)を規制する法律。
- オプトイン(Opt-in):事前に送信の「同意」を得ること。これが原則。
- オプトアウト(Opt-out):受信後に送信の「停止」を依頼すること。メール本文に「オプトアウトの方法」を表示することが義務付けられている。
- 表示義務:送信者の氏名や住所、オプトアウトの方法などを明記する必要がある。
まとめ
特定電子メール法は、迷惑メールから私たち受信者を守るための法律です。I
特に「オプトイン(事前同意)」が原則である、という点をしっかり押さえておきましょう。
自分がメールを受け取る時だけでなく、将来、仕事でメールマガジンなどを送る立場になった時にも、必ず守らなければならない重要なルールです。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
5. セキュリティ関連法規
目標「代表的なセキュリティ関連法規の概要を理解する。」
説明1「我が国のサイバーセキュリティに関する施策の基本となる事項等を定めたサイバーセキュリティ基本法があることを知り、その概要を理解する。」
説明2「実際に被害がなくても罰することができる、不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)があることを知り、その概要を理解する。」
説明3「パーソナルデータ、個人情報、個人データの違いを理解する。」
説明4「その他、情報セキュリティに関連する各種法律の概要を理解する。」
(5) その他の情報セキュリティ関連法規
- 情報セキュリティに関連する各種法律の概要。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。




