《 iパス用語解説》個人情報保護委員会とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

個人情報保護委員会
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「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「個人情報保護委員会」です。

大まかに説明すると

「個人情報保護委員会(PPC)」は、個人情報保護法が正しく運用されるよう、事業者などを監視・監督するために設置された国の行政機関です。 主な役割は3つあります。

  1. 国民や事業者からの相談窓口となること。 ITパスポート試験では、この組織が個人情報保護の「司令塔」「監視役」であることが問われます。
  2. 法律の具体的なルールである「ガイドライン」を策定すること。
  3. 事業者がルールを守っているかを見張る「監視・監督」。違反が疑われる際には、報告徴収、立入検査、指導、勧告、さらには法的な「命令」を出す強い権限を持ちます。

はじめに

「個人情報保護法」や「個人情報取扱事業者」も大切ですが、今回は「じゃあ、そのルールがちゃんと守られているか、誰が見張っているの?」という疑問に答える組織、「個人情報保護委員会」について解説します。

この組織の役割を理解しておくことも大切です。

個人情報保護委員会とは?

「個人情報保護委員会」(PPC: Personal Information Protection Commission)とは、個人情報保護法が正しく運用されるように、事業者などを監視・監督する役割を持つ、国の行政機関です。

法律やルールを作っても、それを守っているかチェックする人がいなければ、ルールは形だけになってしまいますよね。

そこで、個人情報の取扱いに関する「国の司令塔」であり、「監視役(番人)」として、この委員会が設置されました。

特徴的なのは、内閣総理大臣の管轄下にありますが、その職務は独立して行う(総理大臣などから直接指示を受けない)とされている点です。

これは、政治的な影響を受けずに、公平・中立な立場で個人情報の保護にあたるためです。

なぜこの委員会が必要なの?

2017年の個人情報保護法改正までは、各分野(例:医療、金融など)を担当する省庁が、それぞれの業界を監督していました。

しかし、これでは業界ごとに監督の基準がバラバラになってしまう可能性がありました。

そこで、すべての分野を横断して、一元的に個人情報の保護ルールを担う「司令塔」が必要とされ、この個人情報保護委員会が設立されたのです。

個人情報保護委員会の「主な仕事」

委員会の主な仕事を3つの側面から理解しましょう。

1. ルールを作る(ガイドラインの策定)

法律(個人情報保護法)は、基本的なことしか書いていません。

そこで、個人情報保護委員会が「こういう場合は、具体的にこうしなさい」という詳細なルールブックである「ガイドライン」を作成・公表します。

個人情報取扱事業者は、法律本文だけでなく、このガイドラインに従って個人情報を扱わなければなりません。

2. 見張る(監視・監督)

これが委員会の中心的な役割です。

事業者が法律やガイドラインを守っているかをチェックします。

もし違反が疑われる場合、以下のような強い権限を持っています。

  • 報告徴収・立入検査:事業者に対して「どうなっていますか?」と報告を求めたり、実際に会社に立ち入って調査したりできます。
  • 指導・助言:「このやり方はマズイですよ」とアドバイスをします。
  • 勧告・命令:指導しても改善されない場合、「〇〇しなさい」と強く勧告したり、法的な拘束力を持つ「命令」を出したりします。

もし、この「命令」にも違反すると、事業者やその担当者は罰金や懲役といった罰則を受けることになります。

3. 助ける(広報・相談)

国民や事業者からの「こんな時どうしたらいい?」「私の情報が漏れたかもしれない」といった相談を受け付ける窓口としての役割も持っています。

また、個人情報保護の大切さを社会に知らせる広報活動も行っています。

まとめ

「個人情報保護委員会」は、個人情報保護法の「司令塔」であり「監視役」です。

事業者がルールを守っているかを見張り、違反があれば指導や命令を行う強い権限を持っています。

また、詳細なルールである「ガイドライン」を作成する役割も担っています。

この委員会があるおかげで、個人情報保護法の実効性(きちんと守られること)が担保されているのです。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」

5. セキュリティ関連法規

目標「代表的なセキュリティ関連法規の概要を理解する。」

説明1「我が国のサイバーセキュリティに関する施策の基本となる事項等を定めたサイバーセキュリティ基本法があることを知り、その概要を理解する。」
説明2「実際に被害がなくても罰することができる、不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)があることを知り、その概要を理解する。」
説明3「パーソナルデータ、個人情報、個人データの違いを理解する。」
説明4「その他、情報セキュリティに関連する各種法律の概要を理解する。」

(3) 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)

  • 保護の対象となる個人情報、適用される事業者、義務規定など。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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