《 iパス用語解説》オープンソースソフトウェアとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

オープンソースソフトウェア
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「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「オープンソースソフトウェア」です。

大まかに説明すると

オープンソースソフトウェア(OSS)は、ソフトウェアの設計図にあたる「ソースコード」が、インターネット上で無償公開されているソフトウェアのことです。

誰でも自由に利用、複製、改変、再配布することができます。

ただし、「何をしてもよい」わけではなく、GPLやMITライセンスといった利用許諾契約(ライセンス)に従う必要があります。

多くの開発者が協力して開発・改善を行うため、高品質で信頼性の高いソフトウェアが多いのが特徴です。

オープンソースソフトウェア(OSS)とは?みんなで育てるソフトウェア

はじめに

皆さんが普段使っているインターネット。Webサイトを見るためのブラウザ「Chrome」や「Firefox」、スマートフォンのOSである「Android」。実はこれらには共通点があります。

それは、「オープンソースソフトウェア(OSS)」を基盤にしている、あるいはそれ自身がOSSである、という点です。

今やIT社会を根底から支える存在となったOSS。

その仕組みと魅力を解説します。

オープンソースソフトウェア(OSS)とは?

オープンソースソフトウェア(Open Source Software)とは、その名の通り、ソフトウェアの設計図である「ソースコード」がオープンに(公開されて)いるソフトウェアのことです。

通常のソフトウェア(プロプライエタリソフトウェアと言います)は、ソースコードが企業秘密として厳重に管理されており、中身を見ることはできません。

車のエンジンルームが固く閉ざされているようなものです。

一方、OSSはエンジンルームが透明で、誰でもその仕組みを見たり、気に入らない部分を自分で改造したりできるようになっています。

OSSの主な特徴

OSSには、以下のような特徴があります。

  1. ソースコードの公開
    • ソフトウェアがどのように作られているかが全て公開されています。
    • これにより、世界中の開発者がバグ(不具合)を発見したり、新しい機能を追加したりと、協力してソフトウェアを改善していくことができます。
  2. 利用・改変・再配布の自由
    • 誰でも基本的には無料で利用でき、自分の目的に合わせて改造したり、それを他の人に配ったりすることが許可されています。
  3. ライセンスの存在
    • ここが非常に重要なポイントです。
    • 「自由」といっても、「何をしてもよい無法地帯」というわけではありません。
    • OSSには必ず「ライセンス」と呼ばれる利用許諾契約が付随しています。
      • 代表的なOSSライセンス
        • GPL
          • OSSを改変して新しいソフトウェアを作った場合、その新しいソフトウェアのソースコードも公開しなければならない、というルール(コピーレフト)。
        • MITライセンス
          • 非常に制約が緩く、著作権表示さえすれば、あとはかなり自由に利用できる。
        • Apacheライセンス
          • MITライセンスと似ていますが、特許に関する記述があるなど、ビジネスでも使いやすい。

利用者は、このライセンスに定められたルールを守る必要があります。

なぜOSSが使われるのか?

  • コスト削減
    • 無料で利用できるものが多いため、開発コストを抑えられます。
  • 高い品質と信頼性
    • 世界中の優秀な開発者たちの目でチェックされているため、バグが少なく、セキュリティが高い傾向にあります。
  • 柔軟性
    • ソースコードを自社に合わせて自由に改変できるため、独自のシステムを構築しやすいです。

まとめ

オープンソースソフトウェア(OSS)は、ソースコードが公開され、誰でも自由に利用・改変・再配布できるソフトウェアです。

しかし、その自由は「ライセンス」というルールの上に成り立っています。

「無料だから」「ソースコードが見えるから」というだけでなく、多くの人々の協力によって開発・維持されている「みんなで育てるソフトウェア」であるという点を理解しておきましょう。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」

4. 知的財産権

目標「知的財産権にはどのような種類があり、何が法律で守られ、どのような行為が違法に当たるのかの基本を理解する。」

説明「コンピュータプログラムや音楽、映像などの知的創作物に関する権利は、法律で守られていることを理解する。」

(4) ソフトウェアライセンス

  • 権利者が他者と契約を結び、利用許諾を与える方法であること。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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