《 iパス用語解説》CAL(Client Access License)とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

CAL(Client Access License)
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「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「CAL(Client Access License)」です。

大まかに説明すると

CAL(キャル)とは「クライアントアクセスライセンス」の略で、サーバーに接続してその機能(ファイル共有や印刷など)を利用するために、クライアント側(利用者やPC)に必要となるライセンスです。

サーバー用OSのライセンスとは別に購入する必要があります。

CALには、特定の利用者に与えられる「ユーザーCAL」と、特定のデバイスに与えられる「デバイスCAL」の2種類があり、利用形態に応じて選択します。

CALとは?サーバーに接続するための「通行手形」

はじめに

会社や学校のネットワークでは、中心に「サーバー」と呼ばれる高性能なコンピュータがいて、ファイル共有やプリンタの管理、Webサイトの運営など、様々なサービスを提供しています。

そして、私たちの使うパソコン(クライアント)は、そのサーバーに接続してサービスを利用します。

このとき、サーバーに接続するためには、実は「接続する権利」が必要になる場合があります。

その権利の証明書が、今回解説する「CAL(キャル)」です。

CAL(クライアントアクセスライセンス)とは?

CALは、Client Access License(クライアントアクセスライセンス)の頭文字をとったものです。

これは、サーバーソフトウェアの機能を利用するために、クライアント(利用者またはデバイス)に必要となるライセンスのことです。

少しややこしいのですが、ライセンスが2段階になっているとイメージしてください。

  1. サーバーOSのライセンス
    • まず、サーバーコンピュータに、Windows Serverのようなサーバー用のOS(基本ソフト)をインストールするためのライセンスが必要です。
    • これは、いわば「お店を建てる権利」です。
  2. CAL
    • 次に、建てたお店(サーバー)にお客さん(クライアント)が入るために、一人ひとり(または一台一台)に「通行手形」が必要になります。
    • この通行手形がCALにあたります。

つまり、サーバーOSのライセンスを買っただけではダメで、そこに接続するパソコンやユーザーの数に応じたCALを別途購入しないと、ライセンス違反になってしまうのです。

ユーザーCALとデバイスCAL

CALには、主に2つの種類があります。

どちらを選ぶかは、会社の働き方によって決まります。

  • ユーザーCAL:
    • 「人」に対してライセンスを与える方法。
    • 一人の利用者が、会社のパソコン、自分のスマートフォン、自宅のノートPCなど、複数のデバイスからサーバーにアクセスする場合に有利です。
    • 例: 営業担当のAさんが、社内のPCと外出先のタブレットの両方からアクセスする。
  • デバイスCAL:
    • 「機器(デバイス)」に対してライセンスを与える方法。
    • 一台のパソコンを、複数の利用者で共有して使う場合に有利です。
    • 例: 工場の共有PCや、コールセンターの交代制勤務で使われるPC。

どちらのCALを選ぶかによって、必要なライセンス数が変わってくるため、企業は自社の利用状況をよく考えて選択する必要があります。

まとめ

CALは、サーバーに接続するための「通行手形」のような権利です。

サーバーOS本体のライセンスとは別に、接続するクライアントの分だけ必要になります。

そして、CALには「人」に紐づくユーザーCALと、「機器」に紐づくデバイスCALの2種類がある、ということをしっかり押さえておきましょう。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」

4. 知的財産権

目標「知的財産権にはどのような種類があり、何が法律で守られ、どのような行為が違法に当たるのかの基本を理解する。」

説明「コンピュータプログラムや音楽、映像などの知的創作物に関する権利は、法律で守られていることを理解する。」

(4) ソフトウェアライセンス

  • 権利者が他者と契約を結び、利用許諾を与える方法であること。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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