「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「サイトライセンス契約」です。
大まかに説明すると
サイトライセンス契約は、特定の事業所や学校のキャンパスなど、決められた場所(サイト)内でのソフトウェア利用を許諾する契約です。
契約したサイト内であれば、パソコンの台数や利用者の人数を問わず、無制限にソフトウェアをインストールして使えるのが最大の特徴です。
ボリュームライセンスが「本数」で契約するのに対し、サイトライセンスは「場所」で契約する点が異なります。
導入台数が多い場合に管理が非常に楽になります。
サイトライセンス契約とは?特定の場所なら「使い放題」のライセンス
はじめに
学校のパソコン室。たくさんのパソコンに、同じワープロソフトや表計算ソフトが入っていますよね。
生徒が入れ替わるたびに、また新しいパソコンが増えるたびに、ソフトウェアのライセンス数をいちいち数えて管理するのはとても大変です。
そんな悩みを解決するのが、「サイトライセンス契約」です。
特定の場所での利用に特化した、非常に便利なライセンス形態について解説します。
サイトライセンス契約とは?
サイトライセンス契約とは、特定の施設や事業所(=サイト)内に設置されているすべてのコンピュータで、ソフトウェアを自由に利用する権利を許諾する契約形態のことです。
一番のポイントは、「ライセンス数を気にしなくてよい」という点です。
契約で定められた「サイト」(例えば、「〇〇学校の△△キャンパス内」)の中であれば、パソコンが100台あろうと500台あろうと、あるいは利用者数が何人であろうと、台数や人数の制限なくソフトウェアをインストールし、使用することができます。
ボリュームライセンスとの違い
「多数のライセンス」という点では、前回のボリュームライセンスと似ていますが、契約の考え方が根本的に異なります。ITパスポート試験でも、この違いは重要なポイントです。
- ボリュームライセンス:
- 契約単位
- ライセンスの「本数」(例:100ライセンス分)
- 考え方
- 「まとめ買い」による割引。契約した本数までしか使えない。
- 契約単位
- サイトライセンス:
- 契約単位
- 「場所(サイト)」(例:東京本社ビル内)
- 考え方
- 特定エリア内の「使い放題」。契約した場所の中なら何本でも使える。
- 契約単位
つまり、導入するパソコンの台数が非常に多い場合や、将来的に台数が増える可能性が高い場合には、一本ずつライセンスを管理する必要がないサイトライセンスの方が、管理の手間とコストの両面で有利になることがあります。
どんな場所で使われる?
サイトライセンス契約は、主に以下のような場所で利用されます。
- 教育機関: 大学のキャンパス、小中高校の校舎内など。
- 企業: 本社ビル、研究所、工場など、特定の拠点。
- 官公庁: 市役所や役場など。
まとめ
サイトライセンス契約は、特定の「場所」を単位として契約し、その中であればPC台数無制限でソフトウェアが使えるようになる契約です。
ボリュームライセンスが「本数」で契約するのに対し、サイトライセンスは「場所」で契約する、という決定的な違いをしっかり理解しておきましょう。
これにより、大規模な組織でのソフトウェア管理が非常にシンプルになります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
4. 知的財産権
目標「知的財産権にはどのような種類があり、何が法律で守られ、どのような行為が違法に当たるのかの基本を理解する。」
説明「コンピュータプログラムや音楽、映像などの知的創作物に関する権利は、法律で守られていることを理解する。」
(4) ソフトウェアライセンス
- 権利者が他者と契約を結び、利用許諾を与える方法であること。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。