「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「ボリュームライセンス契約」です。
大まかに説明すると
ボリュームライセンス契約は、主に企業などの組織が、同じソフトウェアを大量に導入する際に利用するライセンス契約です。
パッケージ製品を一つずつ購入するのに比べ、1ライセンスあたりの価格が割安になるのが最大のメリットです。
また、ライセンスキーやインストール媒体が一つにまとめられるため、多数のPCへの導入や管理が容易になります。
コスト削減とIT管理者の負担軽減を目的とした、法人向けの「まとめ買い」制度です。
ボリュームライセンス契約とは?お得な「まとめ買い」ライセンス
はじめに
皆さんが個人でパソコンのソフトウェアを買うときは、お店で箱に入ったパッケージを買ったり、オンラインでダウンロードしたりしますよね。
しかし、学校や会社で、何十台、何百台ものパソコンすべてに同じソフトウェアを入れる場合、一つ一つパッケージを買っていたら大変です。
お金もかかるし、インストール作業も手間がかかります。
そんな時に利用されるのが、「ボリュームライセンス契約」です。法人向けの、賢いソフトウェアの導入方法を学びましょう。
ボリュームライセンス契約とは?
ボリュームライセンス契約とは、同一のソフトウェアのライセンスを、一度に多数必要とする企業や学校などの法人向けに提供される販売プログラムのことです。
スーパーでジュースを1本ずつ買うより、1ダースまとめて買った方が1本あたりの値段が安くなるのと同じで、ソフトウェアも「まとめ買い」することで、様々なメリットが生まれます。
ボリュームライセンスのメリット
パッケージ製品を個別に購入する場合と比較して、主に3つのメリットがあります。
- コスト削減(ボリュームディスカウント)
- 最大のメリットは、1ライセンスあたりの価格が割安に設定されていることです。
- 導入する本数が多ければ多いほど、割引率が高くなることが一般的です。
- 企業にとっては、IT関連のコストを大幅に削減できる可能性があります。
- ライセンス管理の効率化
- パッケージ製品を100個買ったら、100個の箱と100枚のディスク、そして100個のライセンスキー(プロダクトキー)を管理しなければなりません。
- これは非常に煩雑です。
- ボリュームライセンスなら、一つのライセンス証書と、一つのマスターキーで、契約した本数分のパソコンにインストールできます。
- これにより、IT管理者は「どのパソコンに、どのライセンスを使っているか」を簡単に把握でき、管理がとても楽になります。
- インストールの簡素化
- インストール用の媒体(マスターディスクやインストールイメージ)が一つ提供されるため、多数のパソコンへの展開作業を効率的に行うことができます。
注意点
ボリュームライセンスは、あくまで「使用する権利」の契約です。
ソフトウェアの箱や詳しいマニュアルは付属しないことがほとんどで、サポート体制もパッケージ版とは異なる場合があります。
また、契約には最低購入数が定められていることが一般的です。
まとめ
ボリュームライセンス契約は、企業や学校などがソフトウェアを「大量に」「安く」「効率的に」導入・管理するための仕組みです。
ITパスポート試験では、「多数のライセンスをまとめて購入する法人向けの契約形態」であり、「コスト削減」と「管理の効率化」が目的である、という点をしっかり押さえておきましょう。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
4. 知的財産権
目標「知的財産権にはどのような種類があり、何が法律で守られ、どのような行為が違法に当たるのかの基本を理解する。」
説明「コンピュータプログラムや音楽、映像などの知的創作物に関する権利は、法律で守られていることを理解する。」
(4) ソフトウェアライセンス
- 権利者が他者と契約を結び、利用許諾を与える方法であること。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。