「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「使用許諾契約(EULA)」です。
大まかに説明すると
使用許諾契約(しようきょだくけいやく)は、ソフトウェアを利用する際のルールを定めた契約です。
「EULA」とも呼ばれます。ソフトウェアは「買う」のではなく、あくまで「使う権利を借りる」という考え方で、インストール時に表示される同意画面がこれにあたります。
複製や改変の禁止、利用できるPCの台数など、利用者が守るべき約束事が書かれており、同意しないとそのソフトウェアは利用できません。
使用許諾契約(EULA)とは?ソフトウェアの「利用ルール説明書」
はじめに
新しいアプリをスマートフォンにインストールしたり、パソコンにソフトウェアを入れたりするとき、「使用許諾契約に同意しますか?」という画面が出てきて、長い文章をスクロールして「同意する」ボタンを押した経験が誰にでもあるはずです。
あの長い文章、一体何が書いてあるのでしょうか?
それが、今回解説する「使用許諾契約」です。英語では「End-User License Agreement」と言い、その頭文字をとって「EULA(ユーラ)」とも呼ばれます。
使用許諾契約とは?
使用許諾契約とは、ソフトウェアの開発者(権利を持つ人)と、利用者(ユーザー)との間で交わされる「ソフトウェアの使用に関するお約束事」です。
ここで最も重要なポイントは、私たちがお店やオンラインでソフトウェアの代金を支払う行為は、そのソフトウェアを「購入」しているわけではない、という点です。
正しくは、「そのソフトウェアを使用する権利(ライセンス)を許諾してもらっている」、つまり「借りている」という状態なのです。
ソフトウェアそのものの所有権は、開発者に残ったままです。
だから、利用者は開発者が決めたルールに従って、そのソフトウェアを使わなければなりません。
そのルールブックが、使用許諾契約書なのです。
何が書かれているの?
契約書には、主に以下のような利用者が守るべきルールが書かれています。
- インストールの台数
- 「このソフトウェアは、1つのライセンスでパソコン1台までインストールできます」といった、利用可能な範囲の指定。
- 禁止事項
- 不正コピーの禁止
- ソフトウェアを無断で複製し、他人に渡したり売ったりする行為の禁止。
- 改変・リバースエンジニアリングの禁止
- ソフトウェアの中身を解析したり、改造したりする行為の禁止。
- 再頒布の禁止
- 許可なく第三者にソフトウェアを配布することの禁止。
- 不正コピーの禁止
- 免責事項
- 「このソフトウェアを使用したことによって、あなたのパソコンに何らかの損害が生じても、開発者は責任を負いませんよ」という、開発者側の責任範囲を定めた項目。
「同意する」ボタンをクリックするということは、これらすべてのルールに法的に合意した、ということになります。
まとめ
使用許諾契約(EULA)は、ソフトウェアの「利用者と開発者の間の約束事をまとめた、ルールの説明書」です。
私たちはソフトウェアを「買っている」のではなく、あくまで「使用する権利を借りている」に過ぎない、という大原則をしっかり理解しておきましょう。
ITパスポート試験では、このソフトウェアライセンスの基本的な考え方が問われます。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類2「法務」
4. 知的財産権
目標「知的財産権にはどのような種類があり、何が法律で守られ、どのような行為が違法
に当たるのかの基本を理解する。」
説明「コンピュータプログラムや音楽、映像などの知的創作物に関する権利は、法律で守
られていることを理解する。」
(4) ソフトウェアライセンス
- 権利者が他者と契約を結び、利用許諾を与える方法であること。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。