《 iパス用語解説》投資利益率(ROI)とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「投資利益率(ROI)」です。

事業者は「新しいシステムを導入しようか」「このWeb広告にお金をかけるべきか」といったように、日々さまざまな「投資」の判断をしています。

そのとき、「この投資は、どれだけ儲けにつながるんだろう?」とその効果を測るための、とても大切な物差しがあります。

それが今回学ぶ「投資利益率(ROI)」です。

ITパスポート試験でも「会計・財務」の分野で問われる、事業者の経営状態を分析するための重要な指標です。

大まかに説明すると

ROI(投資利益率)は、投資した費用に対し、どれだけ効率よく利益を上げたかを示す経営指標です。

「利益 ÷ 投資額 × 100」で計算され、この数値が高いほど効率的な投資と評価できます。

ITにおいては、システム導入といったIT投資の効果を客観的な数値で示し、経営の意思決定を助けるための重要な考え方として使われています。

投資利益率(ROI)とは

ROIとは "Return On Investment" の略で、日本語では「投資利益率」や「投下資本利益率」と訳されます。

簡単に言うと、「投資した費用に対して、どれだけ効率よく利益を上げられたか」を示す指標です。

このROIの数値が高ければ高いほど、「その投資は成功だった(コストパフォーマンスが良かった)」と判断することができます。

投資利益率(ROI)の計算方法と具体例

ROIは、以下のシンプルな計算式で求めることができます。

ROI(%)=利益÷投資額×100

※利益は、投資によって得られた売上から、売上原価や投資額を差し引いて計算します。

言葉だけだと難しいので、具体的な例で見てみましょう。

具体例

ある企業が100万円を投資して新しい業務システムを導入した結果、業務が効率化され、150万円の利益が生まれた。

この場合のROIを計算してみます。

  • 投資額:100万円
  • 利益:150万円 ※ここでは分かりやすく、システム導入によって純粋に増えた利益を150万円とします。

計算式に当てはめると…ROI=150万円÷100万円×100=150%

ROIは150%となりました。

これは、投資した100万円に対して、その1.5倍の利益を生み出したことを意味します。

もし、別の投資案がROI 120%だったら、こちらのシステム投資の方がより効率的な投資だった、と評価できるわけです。

ITにおけるROIの重要性

ITにおいて、なぜこのROIが重要なのでしょうか。

それは、ITの導入効果を客観的な数値で示すことができるからです。

例えば、「新しいサーバーを導入すれば、Webサイトの表示が速くなります」と説明するだけでは、経営者は「で、それによって会社はどれくらい儲かるの?」と判断に困ります。

そこで、「このサーバーに500万円投資すれば、Webサイト経由の売上が年間2,000万円増え、利益が750万円見込めるので、ROIは150%になります」と説明すれば、投資すべきかどうかの明確な判断材料になりますよね。

このように、ROIは企業のIT戦略や経営計画を立てる上で、欠かすことのできない考え方なのです。

まとめ

  • ROI(投資利益率)は、投資の効率性を測るための指標。
  • 計算式は「利益 ÷ 投資額 × 100」。数値が高いほど良い投資と評価できる。
  • IT投資の効果を具体的に示し、経営の意思決定を助ける重要な役割を持つ。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

3. 会計・財務

目標「企業活動や経営管理に関する、会計と財務の基本的な考え方を理解する。」

説明「企業活動や経営管理について、損益分岐点などの会計と財務に関する基本的な用語
の意味と考え方を理解し、身近な業務に活用する。」

(1) 会計と財務

・売上と利益の関係

②財務諸表の種類と役割

・企業における損益計算書などの財務諸表や勘定科目などの種類と役割

【活用例】

基本的な財務諸表の読み方と財務指標を活用した分析

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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