
「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「負債(流動負債、固定負債)」です。
目次
大まかに説明すると
流動比率は、流動資産を流動負債で割って算出され、企業の財務安全性を測る重要な指標です。
目安は120~150%以上が安全とされ、200%以上は優良ですが、業種で異なります。
高すぎると資産の未活用、低すぎると資金繰り悪化のリスクがあるため、流動資産増加や流動負債削減で改善が可能です。
流動比率とは
流動比率とは、流動資産と流動負債のバランスを表した指標です。
具体的には、流動負債に対する流動資産の割合のことを指します。
企業の財務の安全性をチェックする際の指標として用いられています。
流動資産は、企業が保有する資産のうちで、1年以内に現金化される予定の資産のことです。
現金や普通預金のほかに、売掛金、棚卸資産などが該当します。
貸借対照表には、資産の部に記載されています。
流動負債は、1年以内に返済の義務がある負債のことです。
買掛金や未払金のほかに、借入期間が1年以内の短期借入金などが該当します。
貸借対照表には、負債の部に記載されています。
流動比率の計算方法
流動比率は、流動資産を流動負債で割って、100を掛けることで算出できます。
流動比率を求める計算式は、以下の通りです。
流動比率=流動資産÷流動負債×100
たとえば、現金や売掛金などの流動資産の総額が1,000万円、買掛金や未払金などの流動負債の総額が700万円だったとします。
この場合の流動比率は、10,000,000÷700,000×100=約143%となります。
流動比率の目安
流動比率は、企業の安全性を判断する際の大事な指標です。
流動比率が120~150%以上であれば、安全とみなされています。
流動比率が200%以上になると、優良だとみなされることが多いようです。
ただし、業界によって流動比率の差が大きいため、一概には言えません。
たとえば、情報通信業、建設業、製造業などは、流動比率が高くなりやすい傾向です。
反対に、小売業、宿泊業、飲食サービス業などが流動比率が低くなりやすい傾向があります。
また、大企業のほうが、中小企業よりも流動比率が低い傾向となっています。
流動比率が高すぎる場合の注意点
一般的には、流動比率が高いと安全だとみなされます。
ただし、流動比率は高ければ良いとも限りません。
なぜなら、流動比率が高すぎると、資産を有効に活用できていない場合があるからです。
過剰な在庫を長期間抱え込んでいるなどの理由で、流動比率が高くなっている可能性もあるでしょう。
流動比率を高くする方法
流動比率が100%を下回る場合は、流動資産よりも、流動負債のほうが大きいと言えます。
低い状態が続くと、資金繰りが悪化したり、倒産したりなどのリスクが高まる可能性が出てくるのです。
流動比率を高くするには、流動負債を減らして、流動資産を増やす必要があります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
3. 会計・財務
目標「企業活動や経営管理に関する、会計と財務の基本的な考え方を理解する。」
説明「企業活動や経営管理について、損益分岐点などの会計と財務に関する基本的な用語
の意味と考え方を理解し、身近な業務に活用する。」
(1) 会計と財務
・売上と利益の関係
②財務諸表の種類と役割
・企業における損益計算書などの財務諸表や勘定科目などの種類と役割
【活用例】
基本的な財務諸表の読み方と財務指標を活用した分析
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。