《 iパス用語解説》負債（流動負債、固定負債）とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート（iパス）」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「負債（流動負債、固定負債）」です。

大まかに説明すると

負債とは、会社の借金など、返済や支払いの義務を負う経済的な負担を指し、貸借対照表の右側に記載されます。返済期限によって「流動負債」（1年以内）と「固定負債」（1年超）に分類されます。

流動負債には買掛金や短期借入金が、固定負債には長期借入金や社債が含まれます。

これらは「正常営業循環基準」や「1年基準」で区別され、負債比率から企業の財務安全性を評価できます。

負債とは

負債は、会社の借金などといった返済や支払いの義務を負う経済的な負担であり、いわゆるマイナスの財産を示します。

銀行から融資を受けている場合や仕入れ代金が未払いの状態など返済の義務がある状況です。

決算日における会社の財産と債務状況を表す貸借対照表において右側の部分（貸方）に記されています。

貸借対照表を見ることであらゆる財務分析が可能になりますが、負債は負債比率が分析に大いに役立つのです。

負債比率は、貸借対照表の負債合計額を自己資本額で割った数値で、返済しなくても良い自己資本に対する負債の割合を示したものであり、事業の財務安全性を評価することができます。

負債比率が低ければ低いほど財務安全性が高いと評価できるでしょう。

また、この負債は、返済期限や性質によって「流動負債」と「固定負債」の2つに分類されています。

流動負債について

流動負債は、会社の負債の中でも1年以内に支払期限が訪れる債務を指しています。

この流動負債は、買掛金や前受金、短期借入金、支払手形、未払金、借受金、預かり金などが該当します。

貸借対照表の中でも負債の部に記され、流動性が高いもの順に上から記すことが決められており、短期間で支払期限が訪れる流動負債は負債の部の中でも上のほうに記載されているのです。

固定負債について

固定負債は、会社の負債の中でも1年を超えて支払期限が訪れる負債を指しています。

社債や長期借入金、退職給付引当金、貸倒引当金、預かり保証金などが該当します。

流動負債と同様、貸借対照表の負債の部に記載されますが、支払期限が流動負債よりも先になるため、流動負債の下に記される負債です。

固定負債は、長期的な資金調達や財務計画に大きく関わっています。

支払期限が長いため、資金繰りは安定しますが、比率が高いと資本構造を見直さなければならなくなるでしょう。

流動負債と固定負債の違い

流動負債と固定負債の違いは2点挙げられます。

日本における会計では、仕入れから販売に至る営業サイクルの中で発生した負債を流動負債にするという「正常営業循環基準」というものがあり、支払期限が1年を超えていても正常な営業サイクルで生じた負債は流動負債になります。

ただし、正常な営業サイクル以外から生じた負債に関しては「1年基準」が基となって、支払期限が1年以内か1年を超えるかで流動負債か固定負債かで分けられているのです。

この1年基準は、別名「ワン・イヤー・ルール」とも言われています。

決算日翌日から起算し、1年以内に入金もしくは支払期限を迎えた場合は流動負債になり、一方1年を超える場合は固定負債となります。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ：ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

3. 会計・財務

目標「企業活動や経営管理に関する、会計と財務の基本的な考え方を理解する。」

説明「企業活動や経営管理について、損益分岐点などの会計と財務に関する基本的な用語
の意味と考え方を理解し、身近な業務に活用する。」

(1) 会計と財務

・売上と利益の関係

②財務諸表の種類と役割

・企業における損益計算書などの財務諸表や勘定科目などの種類と役割

【活用例】

基本的な財務諸表の読み方と財務指標を活用した分析

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html

ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。