
「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「モデル化(確定モデル、確率モデル)」です。
目次
大まかに説明すると
モデル化とは、事物や現象の本質を抽象化して単純化することを指します。
これにより、複雑な現象の再現やシミュレーションが可能になります。
モデルは、確定的モデルと確率的モデルに分けられ、確定的モデルは規則的な現象を、確率的モデルは不確定な要素を含む現象を表します。
確定的モデルは物理法則などで一定の結果が得られますが、確率的モデルはランダム性や不確かさを考慮し、未来の予測が難しい事象を扱います。
モデル化とは
モデルとは、事物や現象の本質的な形状や法則性を抽象化し、より単純化、簡素化したものです。
対象となる事象の本質的な部分だけを取り出し、それ以外の事象を省略するなどして単純化します。
モデル化とは、事物や現象を単純化したモデルを作ることを意味します。
モデル化の目的
妥当性の高いモデル化ができれば、実際に実施することが困難な実験を計算だけで行うことが可能です。
また、複雑な現象を再現することにも役立ちます。
このように、モデルを用いて実際にどのような現象が起こるのかを予測することをシミュレーションと呼んでいます。
モデル化の手順
モデル化を行うには、目的を明確化にし、要素の分析・構造決め、モデル化するというステップを踏みます。
目的の明確化
モデル化をする対象を何にするのか、なぜモデル化するのかを明確にすることが必要です。
要素の分析・構造決め
モデル化したい対象の要素とその関係性を明らかにすることが求められます。
モデル化
分析をして関係性を明らかにできたら、対象に合った図や数式、複型などでモデルを表します。
確定的モデルについて
モデルは、表現形式や対象の特徴によって分類することができ、その一つとして確定的モデルがあります。
確定的モデルとは、確率的な事象を含まない現象、不規則な現象を含まず方程式などで表せるモデルのことです。
規則的な現象を表すモデルで、物理法則にもとづく振り子の運動や空の水槽に毎分5リットルずつ水を入れていく時のX分経過後の水量などは、確定的モデルに該当します。
こうしたモデルは、初期条件と法則によって定義することができ、同じ初期条件ならば常に同じ結果が得られます。
確率的モデルについて
確率的モデルとは、確率的な事象を含む現象、不規則的な現象のモデルのことです。
確率的モデルでは、不確かさやランダム性を考慮する必要があります。
たとえば、サイコロやクジ引きのような不規則な現象を含んだモデルが該当します。
サイコロを振る行為は確率的な現象であり、サイコロは6面で構成されているので、各面が均等に出る確率は1/6です。
どの面が出るかは確定的ではなくランダムな結果となるので、確定的モデルではなく確率的モデルにあたります。
また、株価の動きも確率的モデルと言えます。
株価の動きは需要と供給にとどまらず、経済や政治情勢などさまざまな要素に影響を受け、未来の株価を確定的に予測することは困難です。
そのため、株価予想においては、株価の変動を確率的にモデル化するのが一般的です。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(4) 意思決定
・問題を解決するための効率的な意思決定
【活用例】
・与えられた条件の下での意思決定、在庫管理を題材にした業務把握
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。