《 iパス用語解説》2次データとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「2次データ」です。

大まかに説明すると

2次データは、他の目的で収集された既存のデータを指し、例えば官公庁統計や業界資料、自社の過去のデータなどが該当します。

これによりコスト削減が可能ですが、注意点として、データが調査目的と異なるため、必ずしも必要な情報が得られるわけではなく、古いデータは現状にそぐわない場合があります。

2次データを利用する際は、データの収集時期や目的を確認することが重要です。

2次データとは

2次データは、調査目的のために新たに収集されたデータではなく、すでにほかの目的で収集されているデータを指します。

データの収集はなんらかの目的があって行われるものですが、それをせずに有用に利用できるデータを主に2次データと呼びます。

たとえば、出店計画を立てる場合、実際その市場の調査を行ってデータを得るのが一般的です。

実際に調査して得るデータが1次データにあたりますが、同じエリアに関するデータとしてすでに官公庁統計や業界団体が公表している資料があれば、これが2次データにあたります。

そのほか、メディアの記事も2次データと言えますし、自社内ですでに把握している社内データがうまく合致するのであれば、それも該当します。

たとえば、特定のエリアに出店計画がある場合、直近で同じエリア内に同様の出店計画を立てた事例があれば、そのデータは有用な2次データとして活用できるでしょう。

2次データには大きなメリットがある

規模にもよりますが、調査やデータ収集を実施するには相応のコストがかかります。

プロジェクトを成功させるためには必要不可欠なことですが、できる限りコストを抑える必要があります。

そんな時に、新たに自分たちで調査を実施しなくても活用できる有効なデータがあることは大きなメリットです。

特に、それが官公庁による統計や信頼のおける研究機関や大学などの調査データであれば、積極的に利用しない手段はありません。

また、見落としてはいけないのは、企業などが自社内に同様の2次データを持っている可能性です。

異なる部門に流用できる有効な2次データがないか確認することは大切ですし、営業実績や顧客情報などは普段から2次データとして意識して保有する仕組みも必要でしょう。

大昔に比べれば社会のインターネット環境が整い、あらゆるデータの収集コストも時間も大幅に節約できるようになりました。

社会全体が情報開示に進展している点もリサーチの面では追い風と言えます。

2次データに関する注意点

使い方によっては非常に有効な2次データの活用ですが、当てにしすぎると良くない面もあります。

2次データは、あくまで別の目的のために収集されたものであり、必ず自分たちが知りたい情報がほしい形にまとまっているわけではないからです。

また、そこにあるデータは果たしていつのものなのか、時期の確認は非常に重要です。

たとえば、再開発が進められているエリアなどは、ほんの1~2年でも大きく都市機能が様変わりしている可能性もあるでしょう。

2次データを表面的に鵜呑みにすると、実際とは大きくかけ離れている危険性もあります。

分析に活用する際は、その2次データがどういった目的でどういった組織が調査を行い、いつどこで実施したかを確認することが大切です。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。

②図表、グラフによるデータ可視化

・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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