《 iパス用語解説》チャートジャンクとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「チャートジャンク」です。

大まかに説明すると

チャートジャンクとは、視覚化による過度な装飾でデータの解釈を歪めることを指します。

エドワード・タフティが提唱し、過剰な装飾が正しい解釈を妨げると警鐘を鳴らしました。

具体例として、3Dグラフや派手な色使い、不要な文字情報などがあり、これにより見る人の心理が操作される可能性があります。

情報を正確に伝えるためには、過度な装飾を避け、データの本質を見失わないようにすることが重要です。

情報をわかりやすく伝える方法

複雑な情報や理解が難しい事柄は、視覚化することでわかりやすくなり、理解が深まると言われることがあります。

そのため、イラストを作成することや表やグラフを用いて情報をわかりやすく伝えようと工夫することも多いことでしょう。

アプリやWEBサービスなどを使えば、より簡単に視覚化ができ、羅列された膨大なデータも一瞬で表やグラフになります。

また、よりわかりやすくしたい場合には、グラフィック技術を用いて、立体的に見せることや3D画像で動かすこともあるかもしれません。

視覚化による弊害

もっとも、こうした視覚化に警鐘を鳴らしたのが、アメリカの統計学者エドワード・タフティです。

彼は、過度な装飾による視覚化は事実を歪めることや正しい解釈を妨げると注意を喚起しました。

過度な装飾が誇大な印象を与えて、正しい解釈を妨げる状態をチャートジャンクと名付けています。

チャートジャンクが提唱されたのは1983年のことでした。

意図的か否かを問わず起きうる現象

わかりやすく伝えようとするあまり、色使いを工夫することやグラフィックを使うこともあるかもしれません。

一方、より危機感をあおりたい、注目を集めたい、商品やサービスの購入促進を図りたいと、心理的に影響を与えやすい色を使ったり、大きくしたり、動きを付けるケースもあるかもしれません。

意図的であるか否かを問わず、装飾の仕方によって、人に与える印象や理解に影響が出るため注意が必要です。

販売促進のためにデータそのものを偽るのは言語道断ですが、もととなる情報やデータは一切いじっておらず、真実にもとづいているとしても、見た目の印象で見る人の心理が操作されてしまうことがあります。

これがチャートジャンクと呼ばれる状態です。

過度な装飾とは

エドワード・タフティが危険視する過度な装飾の例としては、立体化や3Dグラフ化、目立ちすぎるグリッド線、装飾を施した軸線や枠線、背景画像やアイコン、必然性のない陰影付けをはじめ、不要な文字情報、不必要に装飾的なフォントなどが挙げられます。

たとえば、賛成60%、反対40%というデータを円グラフにした場合に、賛成を赤、反対を青で色づける程度であれば、どちらが賛成で反対なのかが視覚的にわかりやすくできます。

しかしながら、それを3D化して少し傾ければ、賛成60%、反対40%の割合は変わらないのに、賛成がより多く見えるようにすることも可能です。

さらに「大多数が賛成」などと、目立つ文字を添えれば、「こんなに賛成している人がいるなら。」と心理が揺さぶられてしまうおそれがあります。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。

②図表、グラフによるデータ可視化

・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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