「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「クロス集計表」です。
目次
大まかに説明すると
クロス集計表は、アンケートなど集計したデータを2つ以上のカテゴリで集計した表です。
2つ以上の変数が表頭と表側に配置され、各セルに回答結果が記載します。
アンケート結果を比較しやすく可視化できますが、細分化しすぎるとデータ解析が困難になるため、標本サイズが30以上になるよう注意が必要です。
画像出典:Data StaRt データ・スタート | クロス集計(https://www.stat.go.jp/dstart/point/seminar/02/3-2-2.html)
クロス集計表とは
クロス集計表を簡単に説明すると、アンケートの回答結果を2つ以上のカテゴリを用いて集計した表のことです。
たとえば「あなたは犬と猫のどちらが好きですか?」という質問と「あなたは男性ですか、女性ですか?」という質問の回答を組み合わせて集計することによって「犬派の男性」や「猫派の女性」などの分類が可能となります。
さらに、アンケート回答者の年齢やお住まいの地域、年収といったさまざまな属性情報を組み合わせることによって4重・5重といった多重クロスの集計表を作成することも可能です。
クロス集計表の見方
クロス集計表では、2つ以上の変数が表頭(表の一番上の行)と表側(表の一番左の列)に配置されます。
たとえば、表側に「男性」「女性」、表頭に「犬のほうが好き」「猫のほうが好き」「どちらとも言えない」といった具合です。
回答の結果は、それぞれ該当するセルの中に実数とパーセンテージで表示されます。
たとえば、200人の男性にアンケートを行った結果、120人が「犬のほうが好き」と回答したのであれば、表側「男性」表頭「犬のほうが好き」のクロスするセルには120、60.0という数字が記載されます。
また、表側「男性」のすべてのカテゴリ「犬のほうが好き」「猫のほうが好き」「どちらとも言えない」を合計すると、必ず100%になるのもクロス集計表の特徴です。
クロス集計表を作成するメリットとデメリット
クロス集計表の大きなメリットの一つは、アンケート結果をわかりやすく可視化することができる点です。
単純集計表の場合は、各質問に対する回答が属性ごとに示されているだけですが、クロス集計表であれば各属性の回答を比較することができるので、データを分析しやすくなります。
また、エクセルなどの表計算ソフトを活用すれば集計に手間や時間がかからず、簡単に作成することができるのもクロス集計表のメリットと言えるでしょう。
ただし、注意しなければならない点もあります。
基本的に、クロス集計表はカテゴリをたくさん設定することでデータを細分化し、情報を深掘りすることが可能になります。
しかしながら、細分化しすぎてしまうとそれぞれのカテゴリに属する標本サイズ(n)も小さくなりすぎてしまって、かえってデータの解析が困難になってしまう傾向に陥りがちです。
基本的に、標本サイズ(n)が30以上になるようにクロス集計表を作成することが、情報をより正確に把握するためには大切です。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。
②図表、グラフによるデータ可視化
・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。