《 iパス用語解説》疑似相関とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「疑似相関」です。

大まかに説明すると

疑似相関は、因果関係がないのに関係があるかのように見える状態で、アイスクリームの売上と水難事故の数、年賀状の枚数と収入、国ごとのチョコレートの消費量とノーベル賞受賞者数などが挙げられます。

気温が原因でアイスクリームが売れ、水難事故のリスクが高まる例など、本当の原因は別にあることに注意が必要です。

相関と因果を混同せず、事実を冷静に判断することが大切です。

因果関係を見誤るリスクのある疑似相関とは

疑似相関とは、2つの事象の間に因果関係がないにもかかわらず、因果関係があるかのように見えてしまう状態を意味し、見せかけの相関や見かけ上の相関とも呼ばれる関係を指します。

たとえば、よく挙げられる疑似相関の例として、「アイスクリームの売上と水難事故の数」、「年賀状を出す枚数と収入の高さ」、「国ごとのチョコレートの消費量とノーベル賞の受賞者者の数」などがあります。

これらの間には明確な因果関係はありません。

たとえば、アイスクリームが売れるから、水難事故が増えるわけではありません。

共通の因果は暑さです。

気温が高いとアイスクリームが売れ、水のレジャーをする人が増えるので、水難事故のリスクも高まるのです。

特定の2つのデータを比較して、その関係性を結び付けてしまい、本当の原因を見誤ってしまうことが、疑似相関の状態になります。

相関関係と因果関係の混同に注意

本来の相関関係とは、1つの変数に対して、ほかの変数が増加または減少する関係を意味します。

たとえば、高齢者は運動量が増えるほど体力が高まり、運動量が減るほど体力も低下するといった関係が例に挙げられます。

一方、気温が高くなるほどアイスクリームの売上が上がるのは、相関関係ではなく、原因と結果を意味する因果関係によるものです。

疑似相関が発生する理由として、相関関係と因果関係を混同してしまうことが挙げられます。

疑似相関では、本来別の原因があるのに相関関係があると見誤ってしまう状態のため注意しなくてはなりません。

事実をしっかり見極めることが求められます。

本当の原因は別にある

「コンビニの店舗数が増えると犯罪が増える」と、聞いたことがありませんか。

これも疑似相関の一つの事例です。

コンビニが増えると深夜に出歩く人が増えて犯罪が増える、人が少ない深夜の店舗に強盗に入る犯罪者が増えるなどと考えがちです。

一方で、コンビニが増えれば、深夜でも人がいる明るいお店ができることで、暗い夜道での犯罪が減るかもしれません。

コンビニの店舗数と犯罪の数は直接相関関係にはありません。

両者の原因になっているのは人口の増加です。

人口が増加すれば、利用客が増えるのでコンビニの出店攻勢も高まります。

さらに、いろいろな人が集まる分、さまざまな犯罪も起こりやすくなります。

調査データや数値の変化などを比較することや相関性を見出すことも大切ですが、真の原因を見誤らないように注意しなくてはなりません。

疑似相関を招かないよう、冷静に読み解くことが必要です。

注意点

相関と因果を混同すると、誤った把握をしてしまうので注意が必要です。

相関だけを見ると、焼きそばを食べる人はデザートにソフトクリームを食べたくなるのではないかと考えることもできますが、因果で見ると気温が原因となっており、焼きそばとソフトクリームに因果の関係がないと分析できます。

つまり、相関と因果は別々に考えることが大切です。

ソフトクリームの売上が上がるには気温が高いことが原因となるのに、相関関係から、冬場のイベントで焼きそばを売ればソフトクリームが売れると思って両者を用意しても、焼きそばしか売れない可能性があります。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。

➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

SystemTeams
おすすめの記事