《 iパス用語解説》最小二乗法とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「最小二乗法」です。

大まかに説明すると

最小二乗法はデータ解析手法であり、データと関数をフィットさせる際に使用されます。

実測値と予測値の誤差を最小化し、最適な関数を見つけることが目的です。

回帰分析によって、関数を用いてデータ間の関係性を理解し、将来の予測も可能です。

この手法は統計分析や科学的研究で広く応用され、意思決定や問題解決に役立ちます。

データに基づいた合理的な判断を行うための重要なツールです。

データの誤差を最小にする最小二乗法とは

最小二乗法とは、取得したあるデータに関数を近似させるための方法です。

理科や物理の実験などを行う際、同じ手法を繰り返し、複数のデータを取ることがあります。

そのデータを散布図に並べてみると相関関係が見られますが、データには誤差があるので、真っすぐな線は引けません。

そこで、誤差を最小にするために最小二乗法を適用し、相関関係の見られる直線を導き出します。

回帰分析で用いられる手法

回帰分析とは統計学において、複数の変数の関係を表すために最適な線を作成して、数式を導き出す分析手法です。

複数の変数の関係を表すために作成される線は、回帰直線と呼ばれます。

たとえば、学習時間とテストの点数の調査データやマンションの面積と価格などのデータを散布図に点で表示していきます。

散布図の点を結んでいくと、実際にはジグザグになるなど、真っすぐの直線にはなりません。

ですが、それをわずかな誤差と認識し、実測値と予測値の差である誤差の合計が最も小さくなるように近似させた線が回帰直線です。

最小二乗法の計算方法

回帰直線を求める際に、実測値と予測値の差となる誤差を最も小さくするには、すべての実測データの誤差を足し合わせた数値を最小とすることが必要です。

すべての誤差を計算する際に、単純に実測値-予測値を行うと、場合によっては負の誤差が出ます。

負の誤差が入ると、正確な計算がしにくいため、各誤差を二乗した値で計算を行います。

このように、データから得られる実測値とモデルによる予測値の間の誤差の二乗和を計算し、その和が最も小さくなる計算式を求める方法が最小二乗法です。

実験で得られるモデルの予測値と正解の二乗誤差が最小となるよう、関数のパラメータ、いわゆる直線の傾きと切片を算出するための手法です。

モデルの出力と正解の誤差ができる限り小さくなるようにモデルを調整する手法とも言えます。

最小二乗法の活用

最小二乗法は、取得したデータに関数を近似させる方法の一つで、回帰分析をはじめ、分散分析や因子分析などにも活用されています。

最小二乗法を活用して回帰直線を求めれば、変数間の特徴を直感的に把握できるのがメリットです。

たとえば、気温とアイスクリームの売上個数やおでんの売上数の実測データを示した散布図で回帰直線を導き出せば、「気温が△℃なら、売上個数は〇個くらいになる」という将来予測を立てられるようになります。

予想以上に売れて在庫が足りなくなるといった機会損失を防ぐことや逆に売れなくて廃棄するといった売れ残りを防ぐことが可能になります。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。

➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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