《 iパス用語解説》管理図とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「管理図」です。

大まかに説明すると

管理図は品質管理のためのツールで、製造工程の安定状態を統計的に評価します。

製品品質のばらつき原因を特定しやすくし、異常原因と偶然原因を判断できます。

管理図は製品や工程のばらつきが許容範囲内に収まるか監視し、特殊原因による変動がある場合は品質低下の兆候とみなします。

製品の合否判断や工程改善に活用され、安定した工程での実行が必要です。

管理図とは

管理図は、主に製造工程の品質管理に用いられる用いられる図の一つで、製造工程が安定な状態かどうかを統計的に判断することに役立ちます。

アメリカの統計学者シューハート氏が1924年に考案したことから、シューハート管理図と呼ばれることもあります。

管理図を作成することで、製品の品質を示す数値のばらつきが何によって生じているのか原因究明がしやすくなります。

製造工程の異常によるもの (特殊原因・異常原因) であるのか、原因を調べても意味がない偶然によるもの (共通原因・偶然原因) なのかを判断することが可能です。

管理図は、工程が管理外になっていることを視覚的に示してくれ、特殊原因による変動が存在するか否かの判別に活用できます。

特殊原因による変動が存在している場合は、工程が安定しておらず、製品の品質が低下しているため、改善対策を講じなくてはなりません。

管理図の仕組み

安定した状態の工程においては、製品や品質のばらつきは設定された許容範囲内に収まるはずです。

この許容範囲のことを管理図では、管理限界と呼びます。

管理限界を超えた製品や工程があると、異常と判断されるのが基本です。

管理図を描くために取得するサンプルデータの集合は群と呼ばれます。

管理図は監視するデータの種類により、大きく計量値管理図と計数値管理図に分かれます。

計量値管理図では、長さや重量、硬度、温度、時間、トルクといった測定できる量を扱うのです。

計数値管理図では、不適合品数や不適合率など、数を数えられるものをデータとして扱います。

管理図を作成する目的

工程管理や品質管理において、以下のような目的を達成することができます。

その1

規格限界の発見に役立ちます。

品質が合格できる範囲を超えたか否か、確認することが可能です。

範囲を超えた場合、その製品は不合格とされます。

その2

工程を管理限界に保てます。

管理限界を外れた場合には、外れた原因を調べて対策を打たなくてはなりません。

その3

工程が時間が経過しても安定しており、一貫性があるかどうかの実証が可能です。

安定した工程とは一般原因による変動しかなく、管理外となる点がない工程のことです。

工程能力の分析をしたい時には、まず工程が安定していることを確認することが求められます。

なぜなら、工程能力分析は、安定した工程で実行された場合にのみ有効であるからです。

その4

工程変更の効果の評価にも活用できます。

管理図を使用すると、工程平均のシフトや工程変動の変化を簡単に比較することができ、特定の期間の工程の性能を視覚化することが可能です。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。

➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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