「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「特性要因図(フィッシュボーンチャート)」です。
目次
大まかに説明すると
特性要因図(フィッシュボーンチャート)は、問題解決に使われるツールです。
1952年に工学博士の石川馨氏が考案し、製造現場でよく利用されます。
魚の骨を思わせる構造で、テーマを背骨に、原因を大骨や小骨に書き込みます。
要因は4M(人、機械、方法、材料)で整理され、問題の本質を掘り下げるのに役立ちます。
視覚的で優先順位をつけやすく、客観的な分析を促進し、品質向上や効率化に寄与します。
特性要因図(フィッシュボーンチャート)とは
特性要因図(フィッシュボーンチャート)とは、1つの結果(特性)に対する、複数の要因をまとめた図です。
特性と要因を魚の骨をイメージできるチャート図で表すことから、フィッシュボーンチャートと呼ばれています。
魚の骨の背骨部分に特性、結果を表示し、その要因を大骨に、さらにそれに影響する要因を小骨や孫骨へ書き出して、視覚化することが可能です。
似ているものとしては、用途としては異なりますが、マインドマップも細分化していくという意味では似ています。
工学博士であった石川馨氏が1952年に考案したことから、石川ダイアグラムと呼ばれることもあります。
特性要因図が使われる場面
特性要因図が誕生したキッカケは、工場の技術者の間で、発生した問題に対する原因が多すぎて整理できないという悩みを解決するためでした。
そのため、現在でも製造現場の工程管理や品質管理の場面で活用されています。
問題が起こった原因をどんどん掘り下げていき、リスク要因を徹底的に排除して、工程の改善や品質の改善へつなげることができます。
図の構成
魚の背骨部分には解決したいテーマを表示します。
大骨部分には、結果が生じたであろう、すぐに思いつく要因を書き出します。
この際、 4Mにもとづく要因を書き出すのがポイントです。
4Mとは、Man (人)・Machine (機械・設備)・Method (方法)・Material (材料)です。
それぞれのMにおいて、結果を引き起こした要因がないか考えて書き出します。
さらに、大骨の要因を生み出した要因を考えて、小骨に書き出します。
小骨に影響を与えた要因があれば、さらに孫骨に書き出すのが基本の構成です。
問題解決の仕方
チャート図で視覚化された要因から、影響が大きい要因や解決が必要な要因に優先順位をつけます。
そのうえで、解決するための対策を考えて実行することが必要です。
特性要因図を利用するメリット
すぐに思いつく要因から、どんどん掘り下げて検討することができるため、問題が起こった本質を探れるのがメリットです。
表面的な要因にとどまらず、掘り下げることで先入観を排除でき、客観的な分析につながります。
魚の骨に見立てたわかりやすいチャート図で視覚化されるので、問題と要因がわかりやすく、問題意識を共有しやすいのもメリットです。
何か問題が起きた時の解決ノウハウとなり、工程の見直しや事故やトラブルの防止につながり、工程の効率化や品質の改善、向上につながります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。
➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。