「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「フィールドワーク」です。
目次
大まかに説明すると
フィールドワークは現場での調査で、対象者と共に生活し、直接声や情報を収集します。
長期滞在し、フィールドノーツやデータを分析しますので、難しさもありますが、他では得られない刺激や発見、知識の深化、行動力の向上があり、異文化や多様性を理解できます。
また問いかけが重要で、仮説と分析、検証を繰り返し、論証を深めていきます。
フィールドワークとは
フィールドワークは野外や実験室外の作業・仕事・研究を指すケースもありますが、調査対象や研究対象を決め、現場または現地での探訪・採集による実地調査を指す言葉です。
たとえば、研究対象となる村人と一緒に生活をしながら、対話をしたり、インタビューをしたり、観察や考察を通じて研究を深めていきます。
フィールドワークを行う研究者とフィールドワーカー、研究者に情報を提供してくれる対象者とインフォーマントと呼ぶことがあります。
フィールドワークの目的と調査方法
フィールドワークの目的は、現場で直接得られる生の声や情報・データなどの収集です。
そのために、現地に出向き、未発見・未確認の物事を詳細に観察したり、インフォーマントの生活の解釈や意味づけをしたり、実態についてインフォーマントから聞き取る作業が重要な目的となります。
調査期間は日帰りの短期間のケースもありますが、長期滞在しながら調査、研究が進められるケースが多いです。
フィールドワークでは、仮説生成型で調査、研究が行われるケースが多く、仮説にもとづく問いをし、分析して仮説を検証し、再び仮説を立てての繰り返しになります。
現地調査で見聞きしたことについてのメモや記録はフィールドノーツと呼ばれ、フィールドノーツや現場で録音することや録画したデータなどを研究室に持ち帰って、何度も再読、再視聴し、コーディングを行って分類し、分析するのが基本的なフィールドワークの手法です。
フィールドワークのメリット
フィールドワークは、長期間にわたる現地調査や観察が必要となり、仮説生成型の研究であるため、煩わしさや難しいと感じる方も少なくありません。
ですが、研究室内での研究や実験では得られないメリットが得られます。
刺激や発見が多く、教科書や専門書には書かれていない情報に触れることができます。
自分でデータを直接収集し、分析することで、行動力が身につき、知識がより深まり、分析力や判断力が鍛えられるのもメリットです。
フィールドワークを通じて、人の言うことや伝聞、本や雑誌、インターネット上の情報を鵜呑みにせず、自分の足で現地に赴き、目で見て、耳で聞いて実際に確かめることの重要性が理解できます。
異文化、異人種、異分野、異業種の人々の交流につながり、人の多様性や違いを理解することにもつながります。
答えを見つけるよりも、問いかけが大切であることがわかるのもメリットの一つです。
見つけた答えに簡単に満足せず、その答えから見えて来る問題点は何なのかを考え、答えと質問を繰り返し、仮説と分析、検証を繰り返しながら、より説得力の高い論証を導き出すことができます。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(1) 業務の把握
・業務内容を把握するための,情報収集及び業務フローなどのビジュアル表現
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。