《 iパス用語解説》国家戦略特区法(スーパーシティ法)とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「国家戦略特区法(スーパーシティ法)」です。

大まかに説明すると

国家戦略特区法(スーパーシティ法)は、AIやビッグデータを使って便利な都市を作るための法律です。

スーパーシティでは、自動運転のバスやドローン、キャッシュレス決済などを導入し、住みやすい環境を作ります。

自治体が特区に指定され、国や企業と協力して規制を緩和し、住民の同意を得てスーパーシティを実現します。

個人情報の保護とセキュリティが課題で、データ収集には慎重に取り組む必要があります。

国家戦略特区法(スーパーシティ法)とは

国家戦略特区法(スーパーシティ法)は AI やビッグデータといった先端技術を活用した都市「スーパーシティ」構想を実現するために制定された法律です。

スーパーシティ構想とは、先端技術を駆使することで、行政、物流、医療、教育などあらゆる分野の利便性を整え、住みやすい街を目指すものです。

たとえば、自動運転によるバスやドローンやロボットによる自動配送、キャッシュレス決済、遠隔診療、行政のオンライン手続き化などに取り組みます。

高齢者や子育て世代も安心して便利に暮らせる街づくりや、人手不足の解決につなげるのが目的です。

スーパーシティを実現するには

国家戦略特区法にもとづき、特区の指定を受けた自治体は国や民間企業と区域会議を設けたうえで、実現に必要な規制緩和をはじめ、事業計画書を作成します。

そのうえで、住民の同意を取得し、国に申請すると、内閣総理大臣が担当省庁に規制緩和の特例を求め、新たな手続きの導入で迅速な改革を進めていくという流れです。

スーパーシティで実現できること

国家戦略特区法では、何より特区に暮らす住民に利便性をもたらすことに重点が置かれます。

地域の特性に合わせ、利便性を叶えるシステムやサービスを充実させることが必要です。

また、国家戦略特区法では、決済のキャッシュレス化にも取り組まなくてはなりません。

キャッシュレス化により、生活が便利になるだけでなく、ATMの設置や紙幣の印刷、偽札チェックなどの工程を省けるようになり、脱税などの不正行為の防止もできるので、人材不足の解決や業務効率化、公正な税徴収などが実現できるためです。

行政手続きのワンスオンリー化も求められます。

ワンスオンリーとは、一度提出した情報は二度提出する必要がないことを意味し、国民や企業が提出した個人情報などの情報は、行政機関が連携して使用し、何度も提出する必要がなくなることで、国民や企業の負担軽減につながります。

スーパーシティのリスク

多様なデータを集めて利用するので、個人情報の扱いやセキュリティが不安視され、一度は審議ができず廃案になった経緯がありました。

スーパーシティを進めるには、住民一人ひとりの情報を集めることが必要になるため、取得する目的を明示したうえで、集めた情報が流出しないようセキュリティを強化し、プライバシーを保護することが求められます。

スーパーシティを進めるうえでデータの収集が不可欠ですが、ハッカーなどによるサイバー攻撃のおそれがあります。

キャッシュレス化でも、クレジットカードや決済アプリなどを不正に使われるおそれもあるため、セキュリティ対策の徹底が必要です。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

1.経営・組織論

目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」

説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」

(4) 社会における IT 利活用の動向

・② 企業活動及び社会生活におけるIT利活用の動向

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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