「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「データ駆動型社会」です。
目次
大まかに説明すると
データ駆動型社会とは、ビッグデータを集めて人工知能(AI)や IoT を使って社会の課題を解決し、利便性を高める社会です。
従来はデータを分析して問題を見つけることが主でしたが、データ駆動型社会では問題を解決することが目標です。
例えば、農業や自動車にデータとAIを使って自動的に作業を行わせたり、エアコンや自動車を快適に運転させたりできます。
日本ではデータの収集や利用に課題があり、政府がデジタル化を進めています。データの安全性や新技術の活用も課題です。
データ駆動型社会とは
データ駆動社会は、Data Driven Society とも呼ばれ、情報を大量に集めるビッグデータの収集と蓄積、解析を通じ、人工知能(AI)を活用することやIoT機器などを使って社会の課題解決や利便性の促進を図っていく社会のことを指します。
従来のデータ収集や分析は、課題の「発見」が主目的であったのに対し、データ駆動型社会では、データによる課題「解決」を目指します。
また、従来はデータを過去の分析に使っていたのに対し、将来予測に役立てることが必要です。
さらに、データ分析の結果を部分的な最適解に活かすのではなく、全体的に最適になるよう転換していくことが求められます。
データの現実社会への適用
データ駆動型社会では、データを単に分析して研究するにとどまらず、現実社会に直接適用して、社会的な課題を解決することができるようになります。
たとえば、農業の現場で、ビニールハウス内の室温や湿度のデータと育ち方などのデータを収集、集積してAI が分析し、自動的に水やりをすることや屋根を開閉して日照管理をするなどです。
自動車の自動運転やエアコンの快適運転なども、大量のデータを収集、分析することで現実社会での利便性向上や安全性向上に役立てることが可能です。
データ駆動型社会に向けての課題
日本ではデータ駆動型社会の構築途上にあり、今後経済社会などが抱えるさまざまな課題を、ビッグデータの収集や解析、ソリューションの開発と運用などを行いながら解決していくことを目指しています。
少子高齢化が進む中で、人によるきめ細やかな対応も難しくなっていく中、データの量と質、流通速度が重要なカギを握ります。
そのため、国を挙げて政府デジタル化の加速化をはじめ、データ連携基盤の整備やデータの自己コントロール権の確立などを推進している状況です。
データ駆動型社会を構築するには、データの収集や分析だけでなく、プラットフォーム対策や、ブロックチェーン技術の活用など体制の整備や新たな技術の有効活用もしていかなくてはなりません。
また、情報流通のスピードや多角化を図るために、融合型コンテンツの流通促進や柔軟なコンテンツの流通、コンテンツのグローバル化とルールづくり、伝送路の制約を受けないメディアの多様性の確保なども必要です。
さらに、データ危機管理の観点からは、データセキュリティ対策の確立と組織の枠を超えたリスク対策の構築と運用といった多くの課題も残されています。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(4) 社会における IT 利活用の動向
・② 企業活動及び社会生活におけるIT利活用の動向
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。