「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「リテンション」です。
目次
大まかに説明すると
リテンションとは、人材を確保し続けることです。
お金だけではなく、やりがいや働きやすい環境を整えることが大切です。
リテンションを導入すると、人材の流出を防ぎ、費用も節約できます。
また、スキルアップやキャリアアップが進み、組織が強くなります。
リテンションを重視することで、企業の成長や課題の乗り越えができます。
長期的な成功に向けて、リテンションはとても重要です。
リテンションとは
リテンションは、英語で保持・維持という意味合いですが、マーケティング用語として使う場合は既存顧客の維持、人事管理で使う場合には人材の確保を意味します。
日本では少子高齢化が進み、業界や業種、会社の規模を超えて人材不足が深刻化しています。
そうした中で、有能な人材をいかに確保し、長期に定着してもらうかは企業にとって重要な課題です。
どのような形でリテンションを行っていくのか、企業の抱える課題や風土などに合わせて検討していくことが求められます。
金銭的な報酬だけでは足りない
リテンションを実現するうえでは、賃金アップやボーナスの支給、福利厚生の充実などが考えられます。
こうした金銭的な報酬は一時的には効果が出るものの、長続きしません。
高報酬を得るには相応の業績アップを達成しなくてはならず、従業員に課される目標も高くなることやプレッシャーも大きくなります。
目標達成のために労働時間も多くなることや精神的なストレスも生じるので、結果として離職につながることも少なくありません。
リテンションを実現させるには、金銭的な報酬だけでなく、非金銭的な報酬や働きやすい環境の整備が重要になります。
やりがいや達成感、自己成長を感じられるキャリアアップ制度や社員どうしの投票による表彰制度、公募制度による希望職への異動や社内起業制度などは、従業員の自主性やモチベーションアップにも役立ちます。
この企業で成長したい、長く貢献したいという想いにつながり、リテンションに効果的です。
テレワークの導入や子育て支援制度、会社外での学習支援など、働きやすい環境づくりやワークライフバランスの実現がサポートできる制度の導入なども、リテンションを後押しします。
リテンションを導入する企業のメリット
リテンションの効果が出ると、人材不足の時代に人材確保や流出を防げるだけでなく、離職率の低下に伴う採用コストや育成コストを引き下げるメリットも生まれます。
スキルアップ制度やキャリアアップ制度により、社内のスキル向上が図られ、ノウハウも蓄積されていき、強い組織づくりに役立てることが可能です。
スピードが速いビジネス社会で、新たな課題や転換点が生じても、蓄積された人材の情報や評価をもとに適材適所ができ、乗り切ることが可能になります。
定着率が高まれば、長期的な事業戦略の遂行もしやすくなります。
安定的かつ持続的な企業成長を成し遂げていくうえでも、リテンションは重要です。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(2) 経営管理 / ヒューマンリソースマネジメントの目的
・経営管理に関する基本的な考え方
・経営管理におけるヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)の重要性
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。