「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「OJT」です。
目次
大まかに説明すると
OJTは、仕事をしながらトレーニングを積み、仕事を覚えるやり方です。
日本では、師匠の背中を見て覚える師弟関係の指導法が主流でしたが、欧米でのOJTはShow→Tell→Do→Checkの方法が採用されます。
OJTのメリットは、マンツーマンで指導できることで、即戦力に仕上げられる点や専門性の高い仕事も教え込める点です。
一方、デメリットは、大量の新人がいる場合は向かないことや指導者の教え方や経験によって指導力に差が出ることがあることです。
OJTとは
OJTとは、On The Job Trainingの頭文字を取ったもので、仕事をしながらトレーニングを積み、仕事を覚えるというやり方です。
高度成長期の日本の企業では、OJTが主流でした。
戦後復興でビジネスの勢いが加速していく中、生産効率を上げるには、どんどん人を採用して生産力を高めなくてはなりません。
そこで、採用した新人をどんどん現場に出して、その場で先輩や上司が仕事を教えながら仕込んでいくという人材育成法が行われたのです。
日本のOJTと欧米のOJTの違い
日本のOJTは、日本に長年根付いてきた師弟関係のように、師匠の背中を見て覚える的なところもありました。
とにかく現場で仕事をしている様子を見て、自ら学んでいくという形です。
これに対して、欧米のOJTは少し異なります。
OJTの起源は第一次世界大戦時のアメリカでと言われ、軍人を早期に育成するために導入されたとされています。
その方法は、まず上司や先輩が、やってみせ(Show)、次にそれをわかりやすく説明し(Tell)、実際に新人にやらせてみせ(Do)、それを指導者と振り返って確認し、追加指導(Check)を行うという方法です。
日本の師弟関係の指導法は、説明(Tell)や確認(Check)の部分が不十分なケースも少なくありません。
もっとも、現在では日本の企業でも、欧米のOJTのスタイルであるShow→Tell→Do→Checkの方法が採用されるようになりました。
この工程を繰り返しながら1人前へと成長し、やがて新人も指導者としてOJTの担い手になります。
OJTのメリット
OJTは、基本的にマンツーマンでの指導になるので、少数の新人をスピーディーに育成したい時に向いています。
単純な作業であれば、すぐに即戦力に仕上げることが可能です。
一方、専門性の高い仕事もマンツーマンでしっかりと教え込むことができます。
OJTのデメリット
OJTは、マンツーマンできめ細やかな指導ができる一方、新卒一括採用などで大量に人材が入社する企業が最初に行うには向いていません。
中小企業などで数名の新人を育成したい場合には、最初からOJTを行うこともできます。
一方、大量の新人がいる場合には、まずは集団研修を通じて基本的なことや仕事の流れを学んだあと、実際に現場に出てOJTを受けることになります。
また、指導者の教え方やスキル、経験に応じて指導力に差が出ることがあるため、指導者の指導を行うことも欠かせません。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(2) 経営管理 / ヒューマンリソースマネジメント
・経営管理に関する基本的な考え方
・経営管理におけるヒューマンリソースマネジメント(人的資源管理)の重要性
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。