《 iパス用語解説》監査とは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「監査」です。

大まかに説明すると

監査は、企業の経理や財務に関する記録を、外部の専門家が調査し、適切に処理されているかどうかを確認することです。

監査人は、企業の財務状況や内部統制を評価し、財務報告書において信頼性が高い情報を提供します。

また、監査により、企業の不正行為や法令違反が発覚する場合があります。

監査は、投資家や金融機関などが企業の財務状況を正確に把握するために必要な作業であり、企業の信頼性を高めることにもつながります。

監査とは

監査は、株式会社において、経営を行う取締役の職務の執行を監視、監督する行為です。

株式会社は株主が出資を行って設立し、事業を行うことで利益を追求し、利益を分配する仕組みです。

もっとも、株主は資金を出すことはできても、必ずしも経営の知識やノウハウを持っているわけではありません。

効率良く事業を行い、利益を上げていくために、経営のプロである取締役に経営を委託する、所有と経営の分離が行われています。

取締役も出資を行い、自らが株主でもあるケースもありますが、一般的には株主総会で選任され、株主から信任を受けた経営の専門家で、株主から集めた多額の資金を用いて経営を任されています。

株主の信任に応え、誠実に経営の任務を執行し、株主のために利益を上げていくことが役割です。

もっとも、多額の資金を前にして、私利私欲のために流用するリスクや会社のためと思ったとしても、賄賂など社会的に認められないことに使用することや自分の親族や知人の会社から仕入れを行うなど、自分の利害関係者に資金を使ってしまうおそれもあります。

また、経営に失敗したことを隠すために粉飾決算を行ったり、法令違反となる談合を行ったり、会社の信用を失墜し、会社に損害を与える行為をするかもしれません。

そのようなことが起こらないよう、株主総会で選ばれた監査役が、株式会社の経営や所有者である株主の利益に損害が生じないように予防する業務が監査になります。

業務監査と会計監査

監査は大きく2つに分けられます。

それは業務監査と会計監査です。

業務監査は取締役の職務執行が法令や定款を遵守してなされているかを監視、監督することで、適法性監査と呼ばれることもあります。

会社の合併や売却など株式会社の根幹に関わる事項は、株主総会の決議にかけることが必要ですが、通常の経営判断はビジネスチャンスを逃さないよう、迅速化が求められるので、取締役会や代表取締役に委ねられています。

法令や定款違反の判断や株主の利益に大きく反するような行為が行われないよう、監査役は取締役会に出席して監視を行い、意見などを述べることができ、不正行為が行われないよう、差し止め請求などの法的手段を採ることも可能です。

会計監査は会社の資金の流れが正当化、資産や負債が正しく把握されているかを確認するものです。

使途不明金や不正流用がなされている場合やあるべき資産が反映されず、あるべき負債が隠されていると、適正な経営判断ができず、株主や投資家、取引先も判断を見誤ることになります。

健全な経営ができているかを確認するために、会計監査が行われます。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

1.経営・組織論

目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」

説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」

(1) 企業活動と経営資源

・企業活動の目的と基本的な考え方
・経営におけるヒト,モノ,カネ,情報に対する考え方や管理・手法の意義と必要性

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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