「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「社会的責任投資 SRI」です。
目次
大まかに説明すると
社会的責任を考慮した投資を「社会的責任投資(SRI)」と言います。
投資家が、企業の経済的な収益性だけでなく、環境や社会への貢献度を評価し、投資先を選択することを意味します。
CSRに基づいた企業や、環境に配慮した企業、社会的な課題に取り組む企業などが投資先として選ばれます。
SRIは、企業に社会的責任を果たすことを求め、企業の長期的な成長や社会貢献を促進することを目的としています。
社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment)について
社会的責任投資は、社会的責任を果たすために意欲的に取り組んでいる企業に投資を行うという投資方針や手法を指します。
株式投資や社債を購入する場合に、どの企業に投資するか選ぶ際、これまでのように企業の将来性や値上がりするかも、配当がたくさんもらえるかもといった財務指標などだけでなく、どのような活動に取り組んでいるのか、社会的責任を意識した取り組みや経営を行っているかにも注目する方法です。
社会的責任投資(SRI:Socially Responsible Investment)のやり方
たとえば、株価の値上がりや配当の高さが期待できるX企業は、プラスチック容器をこれまで通り利用しています。
これに対して、株価の値上がりはいまいち期待できず、利益が十分になく配当も期待できないY企業は、プラスチック容器を使うのをやめるとともに、従業員とその家族で植林活動に取り組んでいるとしましょう。
この場合、社会的責任投資の見地からは、CSRに取り組んでいるY企業に投資するということになります。
これは極端な事例ですが、これまでのように株の値動きや財務指標などデータなどだけで見るのではなく、どのような社会的取り組みをしているかまで調べて投資するかを決める方法です。
環境(Environment)保護や、社会(Social)的な課題への取り組みや責任を果たし、従業員の働きやすい環境づくりや公正な会計など企業統治(Governance)に取り組む企業へ投資する、ESG投資の一環でもあります。
補足:社会的責任 CSR について
社会的責任投資を理解するうえでは、まず、社会的責任とは何かを理解しておきましょう。
社会的責任はCSRとも呼ばれ、Corporate Social Responsibilityの略語です。
正確には企業の社会的責任を指します。
企業は事業を行い、利益を上げて成長をしていくことを目指しています。
かつては、企業の利益を優先するあまり、工場から公害が発生していました。
また、現代でもあることですが、環境や資源に影響を与えるような事業を行っているケースや従業員を働かせすぎるなど、社会的問題につながっているケースもあります。
企業の社会的責任とは、こうした問題に向き合い、社会のこと、地域のこと、従業員のことを考えて、社会や地域、環境保護などに貢献し、従業員の働きやすい環境を整えるなど、責任ある活動をしていこうという取り組みです。
詳しくは別ページの「社会的責任CSRとは何か」にまとめております。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(1) 企業活動と経営資源
・企業活動の目的と基本的な考え方
・経営におけるヒト,モノ,カネ,情報に対する考え方や管理・手法の意義と必要性
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。