
「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「固定費」です。
目次
大まかに説明すると
固定費とは、売上高や生産量に関わらず一定期間にわたり発生する経費のことです。
給与賃金、地代家賃、保険料などが該当します。
変動費とは異なり、売上がなくても固定的に発生するため、固定費が売上を上回ると赤字になります。
経営の安定には、固定費の見直しと削減が重要です。
固定費と変動費を分ける固変分解は、利益予測や経費削減の効果測定に役立ちます。
分類方法には、勘定科目法や回帰分析法などがあります。
固定費とは
固定費は、文字通り固定的な経費のことです。
企業などが事業活動を営むうえで必要となる一定の経費を指します。
固定費は、不変費とも呼ばれています。
固定費の具体例
固定費に分類される代表的な経費は以下の通りです。
給与賃金
従業員へ支払う給与や諸手当などです。
租税公課
固定資産税、収入印紙代、町内会費などです。
保険料
火災保険や賠償保険などといった保険料です。
水道光熱費
水道代、電気代、ガス代、灯油代などです。
広告宣伝費
広告の掲載料、チラシ作成料などの宣伝活動にかかる費用です。
一定期間にわたるプロモーション費用など、売上に左右されずに発生する費用は、固定費として扱うことがあります。
地代家賃
オフィス、店舗、工場などの家賃、月極駐車場使用料などの費用です。
役員報酬
取締役や監査役などの役員に対して支払う給与や報酬などです。
旅費交通費
業務で必要な移動や出張時に発生する費用です。
電車代、バス代、新幹線代、飛行機代、タクシー代、高速道路料金などが該当します。
売上や生産量とは直接関係なく、一定期間にわたって一定の費用が発生することがありますが、新規事業に伴う出張や、取引先への訪問が頻繁になった際に、交通費が増加した場合は、変動費として扱うこともあります。
通信費
郵便料金、固定電話や携帯電話の通話料、プロバイダ料金、インターネット回線使用料、テレビ受信料、宅配代などの費用です。
固定費と変動費の違いについて
事業活動で発生する経費としては、固定費のほかに変動費が挙げられます。
変動費は、売上、生産量、販売数などに比例して増減するのが特徴です。
売上が伸びたり、生産量が多くなったりすると、それに応じて変動費も増えていきます。
一方、固定費は変動しません。
売上や生産量の増減にかかわらず、一定期間において定額の経費が発生し続けるのが特徴です。
そのため、固定費が売上額を超えてしまった場合は赤字となってしまいます。
安定した経営を実現していくためには、固定費の定期的な見直しと削減が欠かせません。
固定費と変動費を分ける固変分解
事業活動などで発生した経費は、必ず固定費と変動費に分けなくてはなりません。
固定費と変動費を分けることを固変分解といい、原価を固変分解することは原価分解と呼ばれています。
固変分解を行う理由は、利益予測を求めるためです。
また、固定費と変動費とに分けておくことで、経費削減効果のチェック、新規事業立ち上げの判断基準がしやすくなるという利点もあります。
固定費の分け方
具体的な分類方法は、勘定科目法や回帰分析法などが挙げられます。
勘定科目法は、勘定科目ごとに分類していく方法です。
回帰分析法は、散布図に当てはめて分類していく方法です。
「ax+b(a=変動費率、b=固定費)」の近似曲線を用います。
この方法は、最小二乗法とも呼ばれています。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
3. 会計・財務
目標「企業活動や経営管理に関する、会計と財務の基本的な考え方を理解する。」
説明「企業活動や経営管理について、損益分岐点などの会計と財務に関する基本的な用語
の意味と考え方を理解し、身近な業務に活用する。」
(1) 会計と財務
・売上と利益の関係
① 売上と利益の関係
・用語と考え方
【活用例】
損益分岐点や利益率などの簡単な計算
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。