
「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「在庫管理」です。
目次
大まかに説明すると
在庫管理とは、企業が販売する商品や使用する備品・材料などを適切に管理することです。
適切な管理を行わないと、販売機会の損失や生産・業務に支障が出るリスクがあります。
在庫管理の方法には、定期発注方式と定量発注方式があります。
定期発注方式は、あらかじめ決まった周期で発注量を計算して発注する方式です。
定量発注方式は、在庫数が一定量に達した時点で追加発注を行う方式です。
定期発注方式では、発注量=(発注サイクル+調達期間)の需要量+安全在庫-現在在庫-発注残、で発注量を計算します。
在庫管理とは
在庫管理とは、商品や製品など企業が販売するものや使用する備品、材料などを在庫として適切に管理することです。
品物の出入りを適切に管理する必要がありますが、多くの品物を多くの場所で同時に管理することも必要になっており、データを利用したリアルタイム管理が求められる時代になっています。
帳簿などで管理していた時代から、システム的に効率良く管理することが求められます。
在庫が不足すれば、販売の機会を失い、利益を得るチャンスを失うおそれがあるほか、原材料や備品が不足して生産や業務に支障が出るリスクもあるので、適切な管理が欠かせません。
在庫管理の方法
在庫管理の方法もいくつかあります。
代表的な方法として、定期発注方式と定量発注方式が有名です。
定期発注方式とは、1週間ごと、毎月1日など、あらかじめ決まった周期で発注をする方式です。
その都度発注量を計算して発注を行う方法になります。
どのくらい売れるかなどを経験則から予測して発注するのではなく、一定の公式に当てはめて発注量を計算したうえで発注する方式です。
これに対して、定量発注方式とは、在庫数が減り、あらかじめ定めた量に達した時点で、追加発注を行う方式です。
定期発注方式とは異なり、その都度発注量を計算する必要はありません。
減った分だけ増やすので、毎回の発注量が固定されており、自動的に発注しやすい方式です。
定期発注方式について
定期発注方式では、一定期間ごとに現在の在庫量などをもとに計算を行って発注する必要があります。
計算式は以下の通りです。
発注量=(発注サイクル+調達期間)の需要量+安全在庫-現在在庫-発注残
発注サイクルとは、あらかじめ定めた発注間隔のことで、1週間ごとや30日ごとなどを日数で示します。
調達期間は納品リードタイムとも呼ばれ、発注してから何日で届くのか、待っている間の期間です。
安全在庫とは常時、最低限置いておくべき在庫のことです。
ITパスポートの過去の出題
ITパスポート平成21年度秋の問7で、以下のような問題が出ました。
「定期発注方式で購買品を調達するにあたり、発注サイクルを10日、納入リードタイムを5日、1日の平均消費量を50個、安全在庫量を30個とした場合、今回の発注量はいくらになるか。
発注は発注日の消費終了後に行うものとし、今回の発注時点での在庫量は300個、発注残はないものとする。」
解答は、計算式に当てはめれば簡単に求められます。
なお、ここでいう平均消費量は需要量と同義です。
計算式に当てはめ、(10日+5日 )×50個+30個-300個-0個=480個と計算できます。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(4) 意思決定
・問題を解決するための効率的な意思決定
【活用例】
・与えられた条件の下での意思決定、在庫管理を題材にした業務把握
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。