《 iパス用語解説》デシジョンツリーとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「デシジョンツリー」です。

大まかに説明すると

デシジョンツリーは、選択肢を比較して最良の決定をするための視覚的でわかりやすい手法です。

選択肢ごとの利益やコスト、リスクを評価し、論理的かつ客観的な意思決定を導くことができます。

これにより、意思決定の根拠が明確になり、誤りを減らすことが可能です。

また、意思決定プロセスの効率化やコスト削減、リスク評価にも役立ちます。

こうした特長から、ビジネスの戦略立案や分析、事業検証など、さまざまな場面で活用されています。

デシジョンツリーとは

デシジョンツリーとは、あるテーマや課題を決め、その結論を導くために、取り得る選択肢をいくつか挙げ、それぞれの利益やコスト、得られる結果などの予測を記載し、それらを比較して、最終的にどの選択肢を選ぶかを決めていく樹形図を用いた手法です。

ビジネスの場で用いられるケースが多く、新商品の開発や顧客満足度を改善する方法、業務効率化するために導入すべき手段などを選ぶ際など、さまざまな場面で活用できます。

新商品や新サービス、新規事業の立ち上げのなどの場では、いくつかの案を選択肢として挙げ、それを実行した時に生じる結果の確率、利益と損失を掛け合わせた期待値などを表示し、それを比較して最良と思われる選択肢を決定します。

デシジョンツリーの記号と作成の仕方

決定ノードは、最初に記載する四角い枠で、その中に課題やテーマなど、今回決めたいことを書きます。

確率ノードは、丸い枠で複数の不確実な結果を表すものです。

終点ノードは、三角形で示され、最終的な結果を書きます。

決定ノードから確率ノード、終点ノードへ向かう線のことを代替分岐と予備、想定し得る結果やアクションなどを記載します。

選択されなかった選択肢については、代替分岐に二重線を引きますが、これは拒否された代替と呼ばれる記号です。

デシジョンツリーを活用する目的

デシジョンツリーは視覚的にわかりやすく、数値などにもとづき選択肢を比較していくことができますので、論理的かつ客観的な意思決定を導くことができます。

そのため、決定した選択について根拠を示しやすく、説得力が出ます。

現場の経験則や経営者などの主観や直感に任せて判断すると、なぜその決定に至ったのか根拠が乏しく、判断ミスが起こるリスクも否めません。

結果的に意思決定に誤りがあった場合に、責任の所在が不明確になることやミスに至った原因が曖昧になりがちです。

デシジョンツリーを用いることで論理的かつ客観的なプロセスで意思決定ができるので、戦略の立案から分析、事業検証などビジネスにおけるさまざまな場面で役立てることが可能です。

デシジョンツリーを活用するメリット

意思決定の可視化ができるとともに、直感や主観、経験などに頼らず、利益やコスト、確率などの数値を示すことで、曖昧な選択を回避でき、意思決定プロセスの改善につながります。

意思決定プロセスの最適なフレームワークとなり、意思決定プロセスを効率化し、より良い結果を導くことができます。

プロセスの中で、コスト評価などの詳細な分析も行うので、コストの削減や最適な予算、投資につなげられるのもメリットです。

意思決定プロセスにおいて、各選択肢のリスクも評価、比較できるため、事前にリスクを特定し、適切な予防措置や代替措置を設けるなどリスクヘッジにもつながります。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(4) 意思決定

・問題を解決するための効率的な意思決定

【活用例】

・与えられた条件の下での意思決定、在庫管理を題材にした業務把握

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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