「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「認知バイアス」です。
目次
大まかに説明すると
認知バイアスとは、思い込みや経験などに基づき、合理的な判断ができなくなる心理現象です。
例えば「ハロー効果」では、一部の印象が全体の評価に影響し、「正常性バイアス」は危機的状況でも正常と誤認してしまいます。
また「確証バイアス」は都合の良い情報を優先し、「現状維持バイアス」は変化を避けてしまいます。
さらに「バンドワゴン効果」により、多数派に同調してしまうこともあります。
認知バイアスは日常の判断に影響を与えるため注意が必要です。
認知バイアス(cognitive bias)とは
認知バイアスとは、意思決定を行う際に先入観、直感、思い込み、経験などに頼ってしまい、合理的な判断ができなくなる心理傾向を指します。
認知バイアスには、100以上の種類があると言われているのです。
代表的なものとしては、ハロー効果、正常性バイアス、現状維持バイアス、確証バイアス、バンドワゴン効果などがあります。
これらの特徴は以下の通りです。
ハロー効果(halo effect)
ハロー効果は、特徴的な一部の印象に引きずられてしまい、全体の評価をしてしまう心理現象のことです。
良い特徴に引きずられてしまうポジティブ・ハロー効果、悪い特徴に引きずられてしまうネガティブ・ハロー効果などの種類があります。
正常性バイアス(Normalcy bias)
正常性バイアスは、予期しない事態が起きた時に、正常な範囲だと認識してしまう心理現象のことです。
正常性バイアスが働きすぎてしまうと、非常事態の際に状況を冷静に正しく把握できずに、避難が遅れたり、身の危険が迫ったりするリスクがあります。
確証バイアス(confirmation bias)
確証バイアスは、自分にとって都合の良い情報を集めてしまう心理現象のことです。
このバイアスが働くと、自身の先入観や意見などを肯定する情報を優先してしまいます。
反証する情報に関しては、無視したり、排除したりします。
現状維持バイアス(Status Quo Bias)
現状維持バイアスは、変化することを避けて、現状維持を選んでしまう心理現象のことです。
このバイアスが働くと、今よりも状況が良くなるとわかっていても、具体的な行動に移せなくなってしまいます。
バンドワゴン効果(bandwagon effect)
バンドワゴン効果は、ほかの人がやっていることや持ち物などの影響を受けて、それに同調してしまう心理現象のことです。
このバイアスが働くと、自分自身の判断よりも、多数の人の判断の方が正しいと思い込んでしまいます。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(3) データ利活用
・データを分析して利活用することによる、業務改善や問題解決
② データ分析における統計情報の活用
・データから言えること、データが何を意味するかを適切に把握することの重要性
・扱うデータに関する領域(業界,専門分野など)に特化した知識(ドメイン知識)の重要性
・データの発生現場を確認することの重要性
・文献や現象を読み解き、それらの関係を分析・考察して表現すること
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。