「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「母集団」です。
目次
大まかに説明すると
母集団とは、調査や研究の対象となる集団全体を指します。
たとえば、日本に住む高校生全員が母集団に該当しますが、すべてを調査するのは難しいため、一般的には標本と呼ばれる部分集団を調査し、母集団全体を推測します。
母集団には有限母集団(日本の40歳など)と無限母集団(コイン投げの結果など)の2種類があります。
場合によっては、母集団全体のデータ収集が行われることもありますが、サンプリングエラーのリスクがあるため注意が必要です。
母集団とは
調査や研究の対象となる集団全体のことを母集団と呼びます。
結論を導き出すために、統計的な調査を行う場合の対象全体を指します。
特定の特徴や属性のある個人や対象物、事象などのことです。
たとえば、高校生をターゲットにした商品の開発にあたり、そのターゲットとなるのは、日本に住む高校生生全員が母集団となります。
もっとも、すべての対象を調査するのは難しいので、一般的には母集団から抜き出された対象の一部である部分集団を対象に調査や研究が行われるのです。
標本は、母集団の情報を推測するために、一定の条件を設定して選ばれた一部の集団のことを指します。
この点、母集団と標本はイコールではなく、しっかり区別することが大切です。
部分集団である標本から母集団を調べる統計的推測の理論が確立されており、それにもとづいて推測をすることが必要です。
標本調査では標本だけを調査することになりますが、最終的に知りたい目標となる対象は、あくまでも標本ではなく、標本を抜き出した母集団になります。
母集団の種類
母集団には、大きく分けて、有限母集団と無限母集団の2種類があります。
有限母集団は有限の要素からなる母集団のことで、たとえば日本に住んでいる40歳といったものです。
無限母集団とは、無限の要素からなる母集団であり、コインを投げて裏と表のいずれかとなるデータなどがあります。
コインを投げる実験は無限に繰り返すことができ、日本に住んでいる40歳のように有限ではありません。
母集団からのデータ収集
母集団の大きさによっては全体からのデータ収集が可能です。
たとえば、日本の高校生全員ではなく、ある学校の高校生、特定の組織や小規模なコミュニティなど、明確に定義されたグループ内で実施される調査のケースが該当します。
また、国勢調査などの場合、集団内の個々のデータを正確に把握するために全国的な全数調査が実施されます。
希少な研究対象などの場合、母集団全体からのデータ収集を行うケースが多いです。
たとえば、絶滅危惧種に関する調査や症例の少ない難病などの研究では、疾患を抱えている人全員を調査するなどです。
精度の高さや正確さが必要になる場合も、集団全体のデータ収集を実施することがあります。
母集団から標本を抜き出す基準に問題や偏りがあるなど、サンプリングエラーが生じるリスクを軽減し、より信頼性の高い母集団パラメータの推定値を得ることが可能になります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(3) データ利活用
・データを分析して利活用することによる、業務改善や問題解決
② データ分析における統計情報の活用
・データから言えること、データが何を意味するかを適切に把握することの重要性
・扱うデータに関する領域(業界,専門分野など)に特化した知識(ドメイン知識)の重要性
・データの発生現場を確認することの重要性
・文献や現象を読み解き、それらの関係を分析・考察して表現すること
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。