《 iパス用語解説》質的データとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「質的データ」です。

大まかに説明すると

質的データとは、数値で測れない定性データのことで、名義尺度と順序尺度に分けられます。

名義尺度は名前や性別のように分類するだけのデータで、順序はありません。

順序尺度は順位や評価のように順序があり、優劣を示しますが、和や差には意味がありません。

質的データは数量化できないため、計算に意味がないデータです。

質的データとは

質的データは、定性データ、カテゴリーデータ、属性変数といった呼び方をされることもあります。
数値や量では測ることができないデータです。

質的データは、大きく名義尺度または順序尺度に該当するデータに分けられます。

名義尺度とは、分類にだけ意味があり、順序には意味がない尺度のことで、順序尺度は順位などの並び順に意味がある尺度を指します。

いずれにしても、質的データは種類や分類を区別するためのデータであり、数量として測定できず、四則演算をすることができないデータです。

名義尺度とは

質的データの一種類である名義尺度はどのようなデータなのか見ていきましょう。

名義尺度とは、ほかのデータと区別して分類することにしか意味を持たない尺度のことで、データそのものが同じであるか否かのみに意味があります。

たとえば、名前、性別、血液型などの個人の属性、住所や電話番号、職業をはじめ、好きな食べ物や嫌いな食べ物、ビジネスでいえば取引先名や製品名、商品名など、さまざまなものが該当します。

統計量として、度数や計数、頻度や最頻値を取ることは可能です。

名義尺度は、分類のために区別をすることはできますが、順序はつけられないデータです。

順序尺度とは

順序尺度とは、大小や順序、優劣などの方向性を持たせたデータであり、区別ができるだけでなく、順序がつけられるデータです。

順序がつけられる点が、名義尺度と違うところです。

たとえば、順位やランキング、成績の5段階評価、がんのステージをはじめ、好き・普通・嫌い、優・良・可、満足・普通・不満といった評価の優劣、Sサイズ・Mサイズ・Lサイズといった大小関係が順序尺度にあたります。

統計量としては、%や四分位数、中央値などが使われます。

大小や順序などの差はありますが、カテゴリーの和や差を求めることには意味がありません。

具体的に説明すると、順位で考える場合、1位と2位なら1位のほうが順位が高いという大小関係はありますが、1位は2位の2倍優れているという関係性はなく、足し算や引き算、掛け算や割り算をすることもできず、計算をする意味もありません。

また、優・良・可や大満足・満足・普通・不満・大いに不満、成績の1・2・3・4・5という5段階評価など、3段階の評価や5段階の評価をする尺度の場合、大小関係に加え、その間の差にも意味を持つ変数になります。

1・2・3・4・5といった、それぞれの数値の値は意味を持たず、数値の差だけに意味がある変数です。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。

②図表、グラフによるデータ可視化

・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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