《 iパス用語解説》機械の稼働ログデータとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」

「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。

iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。

今回のキーワードは「機械の稼働ログデータ」です。

大まかに説明すると

機械の稼働ログデータは、オートメーション化と生産性向上に重要です。

IoT技術により、機械をインターネットで接続し、リアルタイムで稼働データを取得、分析できます。これにより、稼働率の比較やメンテナンスコストの削減が可能です。

ログデータを監視し、稼働率低下の原因や故障の兆候を特定し、予防対策を講じることで、稼働率の維持と向上が図れます。

また、複数の工場を遠隔で監視し、メンテナンススタッフの派遣を減らすこともできます。

機械の稼働ログデータの取得の重要性

人手不足を解消するために、機械によるオートメーション化やIT技術を用いて自動化を進めている企業も増えています。

製造業において生産性の向上を図るうえ、機械化するにとどまらず、機械の稼働率は重要な要素です。

稼働率が伸び悩んでいる場合や稼働率は上がっているのに出来高が伸ていないようなケース、複数の同じ機械を導入したのに、機械ごとに稼働率や出来高にバラつきがあるようなケースが生じます。

こうした場合に、機械のどこに原因があるのか、どうすれば改善できるかの対策を講じるために、機械の稼働ログデータの取得と分析が必要になります。

機械の稼働ログデータの取得と分析

従来は、機械をそれぞれ稼働させておくだけでや機械ごとに内臓されている稼働履歴から分析して稼働率を確かめる必要がありました。

今の時代はIoTの技術により、機械をインターネットでつなぎリアルタイムで稼働ログデータの取得ができ、複数の機械のログデータを瞬時に比較することや蓄積されたログデータを分析することも可能です。

タブレットやスマホでも情報がチェックでき、クラウド上で管理することもできます。

複数の工場がある場合にも、遠隔監視が可能となり、稼働率のバランスを図ることや機械のメンテナンスコストなどを抑えるのにも役立ちます。

予知管理や予防対策

機械の稼働状況を監視・収集したログデータをもとに、稼働率が低下する原因や環境と特定することや機械の故障などトラブルにつながる兆候や条件を分析することが可能です。

その日の気温や湿度に影響されている、稼働時間によって差が出るなど、稼働率にバラつきが出る原因がわかるほか、機械が急に故障するなどし、稼働がストップする事象を事前に予知できるようにログの究明が可能になります。

機械の稼働ログデータのリアルタイム監視だけでなく、蓄積されたデータと過去の故障事例から、故障の事前予測が可能となり、適切な時期に機械のメンテナンスや更新を図ることで、ロスを防止し、稼働率の維持や向上が目指せます。

機械の稼働ログデータによって課題を解決

機械が突然トラブルを起こすと製造がストップし、消費者や取引先に過大な迷惑をかけるおそれもあります。

毎日膨大な時間や人件費をかけて目視で点検していたような場合には、機械に取り付けたセンサーから取得される稼働ログデータを分析し、トラブルの予兆を検知できるようになります。

全国、複数箇所に工場がある場合に、メンテナンススタッフを派遣していたようなケースでも、1ヶ所でリアルタイムに集中的に一元管理できれば、スタッフを派遣する回数も最小限に抑えることが可能です。

本キーワードの関連情報

今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。

カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」

2. 業務分析・データ利活用

目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」

説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」

(2) 業務分析と業務計画

・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。

②図表、グラフによるデータ可視化

・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。

参考・引用元資料

【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html


ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。

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