「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「実験データ」です。
目次
大まかに説明すると
実験データとは、仮説を立てて計画された実験から得られるデータです。
因子間の相関が小さく、どの因子が特性に影響するかを明確にすることができます。
実験データを効率よく活用するためには、共通フォーマットや使いやすいインターフェースを整備し、セキュリティ対策を講じることが重要です。
また、データを分析に適した形に整え、実験プロセスと紐づけて管理することで、データの活用性を高めることが求められます。
実験データとは
実験データとは、立案された実験計画にもとづき取得されたデータです。
実験を行うには仮説を立て、原因と結果を予測したうえで、それが実際に実現するか仮説にもとづいて行われるのが基本です。
そのため、実験計画にもとづいて取得されたデータは、因子間の相関が小さくなる傾向が見られます。
実験計画にもとづいて、因子の値を変化させていくことによって、特性値も変化していきます。
因子間の相関が小さいということは、実験によって得られた特性に対し、どの因子の影響が大きいかがわかりやすいということです。
立てた仮説の分析や仮説が当たっていたかが見極めやすくなります。
また、実験計画法の基本原則である反復、無作為化、局所管理によるフィッシャーの3原則にもとづき実験を行うことで、系統誤差の影響を小さくできるのも利点です。
研究開発における課題と解決策
実験データの記録方法が、従来のような手作業や紙ベース、個人の主観による判断などにもとづいて行われていると工数がかかります。
手作業や個人的なルールにもとづき作成された実験データは、フォーマットが揃っておらず、解読しにくくなるため、せっかく得られたデータも共用することや活用が難しくなります。
実験データを効率良く活用するためには、実験テーマごとにルールを決め、共通フォーマットを定義することや実験テーマに応じて柔軟にカスタマイズできる状態にしておくこともおすすめです。
また、誰でも簡単に入力できるよう、入力しやすいインターフェースにするなど、使い勝手が良いフォーマットにすることも欠かせません。
実験データも知的財産や企業機密にあたるため、アクセス管理のセキュリティ整備も重要です。
データ分析のために必要なこと
実験データを活用していくためには、入力データを分析に適した形でクレンジングすることや整形しやすいようにしておくことも欠かせません。
また、整形されたデータ分析用のシステムに連携できるようにしておくことも必要です。
実験業務が計画通りに進まない、手戻りが発生するといったリスクを避けるためには、実験で評価すべき項目が漏れなく、タスクとして洗い出せていること、実験タスクの前後関係を明確にすることも必要です。
過去の実験に関するプロセスやデータにたどり着得ない状態を脱却するには、ローカルのフォルダなどに保管するという従来的なプロセスの一歩先を行き、将来的なデータの活用を見据えて、実験プロセスと紐づけたデータ管理をすることも欠かせません。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(3) データ利活用
・データを分析して利活用することによる,業務改善や問題解決
① データの種類及び前処理
・データを集める目的,集めるデータの種類及び特徴
・データ利活用のための簡単な前処理
・機械判読可能なデータの作成、表記方法
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。