「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「ロジックツリー」です。
目次
大まかに説明すると
ロジックツリーは、問題の原因や解決策を視覚的に整理するためのツールです。
トーナメント表のように枝分かれする形をしており、問題を「Whyツリー」(原因分析)、「Howツリー」(解決策)、そして「Whatツリー」(要素分解)に分けて考えます。
これにより問題を具体的かつ客観的に捉え、解決策を見つけやすくします。
視覚的にわかりやすく、論点のズレを減らし議論をスムーズに進めるため、さまざまな場面で活用されています。
画像出典:統計局|Data StaRt データ・スタート | P(plan、計画)調査分析の計画と仮説の設定「ロジックツリー(概念図)」(https://www.stat.go.jp/dstart/point/seminar1/03.html)
ロジックツリーとは
ロジックツリーと聞くと何かの木なのかなと思うかもしれません。
直訳すると「論理の木」となります。
論理という言葉が入ったことで、何かを分析するためのものなのかと想像がつくでしょう。
その通りで、ロジックツリーといろいろな問題を解決するために木から枝分かれさせるように表を作り、原因が何なのかを考えて解決方法を見つけるために利用します。
形は、トーナメント表を左に倒したような形をしています。
ロジックツリーの種類
解決したい問題によって名称があります。
ここでは、主な3種類についてご紹介します。
「Whyツリー」(原因分析)
たとえば、「運動不足」という問題があったとしましょう。
なぜ運動不足なのかを考えます。
- 時間がない
- 動くのが好きじゃない
- 運動の仕方がわからない
という3つの枝が生えます。
次に、一つ目の時間がないならどうすればいいのかに付いて考えます。
- 早く起きる
- ゲームの時間を減らす
などがまた枝として生えてくるのです。
このように、「運動不足」という問題の原因が何なのかを追求するためにロジックツリーを利用する場合は、「Whyツリー」と呼ばれます。
これが「原因研究」のロジックツリーです。
「Howツリー」(解決策)
次に、「学校の成績を上げたい」という問題の場合です。
勉強時間を増やす、塾に行くなどの解決策が思いつきます。
勉強時間を増やすためには早起きをする、問題集を買ってくるなどの解決方法があるでしょう。
このように、解決したい問題に対してロジックツリーを利用する場合は「Howツリー」と呼ばれます。
これが「問題解決」のロジックツリーです。
「Whatツリー」(要素分解)
次に「パソコンを買う」という問題です。
この場合、まずはデスクトップにするのか、ノートパソコンにするのかを考えます。
その後大きさや容量などを考えていき、最後にどのメーカーにするかを考えるでしょう。
このように、要素を把握するロジックツリーを「Whatツリー」と呼びます。
これが「要素分解」のロジックツリーです。
この3つ以外にも「KPIツリー」というロジックツリーもあります。
見える化して問題の明確化を図れる
このすべてに共通していることは、見える化して問題をわかりやすくしているという点です。
例を見てもわかるように難しい問題だけでなく、身近な問題を解決するためにも使うことができます。
問題を深く掘り下げて考えることで、何が原因なのかを特定することが可能です。
また、論点のズレが少なくなるため、議論する際にスムーズに話が進むという利点もあります。
よって、解決する方法が見つけやすくなるのです。
問題を客観的に捉えることができるため、どうすればいいのか、何を最優先にすればいいのかがわかりやすくなります。
そのため、ロジックツリーはさまざまな場面でよく利用されています。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。
②図表、グラフによるデータ可視化
・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。