「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「2軸グラフ」です。
目次
大まかに説明すると
2軸グラフは、異なるデータ系列を1つのグラフで示すため、データの理解と分析が容易になります。
棒グラフと折れ線グラフなどを組み合わせ、左と右の2つの数値軸を使用します。
たとえば、売上と目標達成率や原価率などを同時に示せます。
視覚的に分かりやすく比較・分析できる一方で、項目が多いと混乱を招く恐れがあります。
そのため、強調したい項目の色を変えるなどの工夫が必要です。また、グラフの見方には注意が必要です。
画像出典:統計局|統計をグラフにあらわそう(https://www.stat.go.jp/teacher/graph.html)
2軸グラフとは
2軸グラフとは、棒グラフと折れ線グラフなど複数のグラフを組み合わせたグラフのことです。
異なるデータ系列を1つのグラフで示すことで、複雑なデータが一目で視覚化でき、データの理解がしやすくなり、データ分析もしやすくなります。
2軸グラフを利用する場合、縦棒グラフと折れ線グラフが用いられるケースが多く見られます。
グラフの数値軸を左と右の2かヶ所に配置し、単位の異なる2つのグラフの関係を一度に見せられるので便利です。
2つの数値軸があるグラフを用いることで、より訴求力の高い資料が作成でき、プレゼンにも役立ちます。
2軸グラフで示される事例
2軸グラフを用いて、わかりやすく表現できる事例は以下のような組み合わせが挙げられます。
たとえば、全店売上と支店別の売上、月別の売上と目標達成率、売上と原価率などです。
特定の材料や商品の国内生産量と輸入量という棒グラフと、国内生産価格と輸入品価格の2つの折れ線グラフを一度に示すことなどもできます。
4つの系列を1つのグラフにまとめることで、たとえばある時期に輸入品の価格が上昇し、それによって国産品の価格が下降したこと、そのために輸入量が減り、国内生産量が増えたといった関連性を掴むことが可能です。
また、Webマーケティングにおいては、Webサイトのコンバージョン数とコンバージョン率、Webサイトのクリック率とクリック数、検索エンジンでの表示回数とクリック率といった組み合わせを2軸グラフで表すケースがよく見られます。
単独でグラフ化するより、一目でデータを把握でき、比較検討することや関連性などを把握しやすくなります。
わかりやすい2軸グラフを作るには
2軸グラフは、一目で複数のデータを比較することや関連性を分析しやすいですが、複数のデータがある分、何を訴えたいのかわかりにくくなってしまうおそれもあります。
そのため、ただグラフを作成するだけでなく、見た目の調整も必要です。
たとえば、グラフの大きさを調整したり、強調したい項目の色を変えたり、グラフの最大値や最小値を変更してデータの大小の差を強調するなどです。
見た目の印象が変化するだけで、インパクトが加わり、よりわかりやすく、2軸にした意図を伝えやすいグラフになります。
作成や見る際の注意点
データの大きさの比較と合計の推移の把握など、2つの異なった視点を一目で把握、分析できるのが2軸グラフのメリットです。
一方で、項目や系列の数が多くなりすぎるとわかりにくくなるので注意が必要です。
より多くの情報を1つのグラフから読み取れる工夫ができる一方で、2つの軸を自由に調整しやすく、同じ動きをしているように見せかける2軸グラフも作成できてしまうため、見る側は気を付けなくてはなりません。
複合グラフと2軸グラフの違い
複合グラフは異なる種類のグラフを組み合わせて表示するもので、同じ数値軸を共有することが一般的です。
2軸グラフは2つの異なる数値軸を使用し、異なるスケールのデータを同時に表示するものです。
複合グラフは異なるデータタイプを同じ軸で比較するのに適しており、2軸グラフは異なる単位や規模のデータを同時に視覚化し、比較するのに役立ちます。
複合グラフ概要
複合グラフは、異なる種類のグラフを一つに組み合わせて表示するグラフのことです。
たとえば、棒グラフと折れ線グラフを一緒に表示することで、異なるデータ系列を同時に視覚化できます。
複合グラフの主な特徴は以下の通りです。
・複数のグラフタイプ: 棒グラフ、折れ線グラフ、面グラフなどを組み合わせます。
・単一の数値軸: 通常、縦軸は一つだけで、異なるデータ系列を同じ軸で表示します。
・データの比較: 異なるタイプのデータを同じタイムラインやカテゴリで比較するのに適しています。
2軸グラフ概要
2軸グラフは、同一のグラフ上で2つの異なる数値軸を使用するグラフのことです。
主に棒グラフと折れ線グラフの組み合わせで使われることが多いです。2軸グラフの主な特徴は以下の通りです
・異なる数値軸: 左側の第1軸と右側の第2軸を使い、異なる単位や規模のデータを表示します。
・同じグラフタイプの組み合わせ: 主に棒グラフと折れ線グラフが使われますが、他の組み合わせも可能です。
・データの関係性表示: 異なる単位やスケールのデータを同時に表示し、その関係性を視覚化します。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。
②図表、グラフによるデータ可視化
・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。