「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「レーダーチャート」です。
目次
大まかに説明すると
レーダーチャートは、正多角形のグラフで複数の項目のデータを表します。
データが大きいほど外側に広がり、小さいほど中心に集まります。
例えば、性格や食べ物の好みなどを視覚化し、比較するのに使われます。
比較やバランスを分析しやすいのですが、10項目以上になると見づらくなりますので、その程度にするのが適切とされています。
画像出典:Office で利用可能なグラフの種類 - Microsoft サポート(https://support.microsoft.com/ja-jp/office/office-%E3%81%A7%E5%88%A9%E7%94%A8%E5%8F%AF%E8%83%BD%E3%81%AA%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%81%AE%E7%A8%AE%E9%A1%9E-a6187218-807e-4103-9e0a-27cdb19afb90)
レーダーチャートとは
レーダーチャートはクモの巣図やスパイダーチャートとも呼ばれ、複数の項目のデータを視覚的に表すことができる正多角形のグラフです。
項目の数によって多角形の数が決まります。
レーダーチャートは多角形の中心をゼロとして、項目の数だけ外側に向けて正多角形になるように目盛りが取られます。
データに応じて、項目ごとに目盛りを取り、中心と各頂点を線分で結ぶことでチャート図ができあがるというというものです。
各項目の値が大きいほど、外へと広がっていきます。
逆に、値が小さいほど中心に集まるコンパクトな形状になります。
比較する項目にもよりますが、各項目の値の値が近似しているほど、バランスの良い正多角形に近い形になるのが特徴です。
レーダーチャートの例
人の性格の特徴を表したり、食べ物の美味しさなどを表したりするのにも用いられます。
短気、温和、のんびり、正確などの項目でどのくらいの割合の人かを表すことで、どんな性格の人かを図形で視覚的に理解することが可能です。
また、さまざまな品種がある柑橘について、甘い、酸っぱい、水分が多い、皮が薄いといった項目で、品種の違いを表し、好みの柑橘を見つけてもらうようなこともできます。
レーダーチャートの注意点
レーダーチャートを描く場合、基本的には外側に大きく目盛りが取られるほど、その項目は良いと見ることになります。
そのため、データが小さいほどいい場合には、レーダーチャートは不向きです。
たとえば、スポーツテストの結果をレーダーチャートにしたい時、握力や幅跳びなどの測定値は大きいほど良いとされますが、100メートル走のタイムは短いほど良くなります。
すると、全体的に運動能力が高い人のレーダーチャートは、握力や幅跳びは大きく広がるのに、100メートル走のタイムだけがへこんで、形がいびつになってしまいます。
その場合は、単なるタイムではなく、秒速に数値を見直すなどして、どの項目も大きくなるほど良いとなるように設定する工夫が必要です。
レーダーチャートがおすすめのケース
レーダーチャートは、複数の項目を視覚的に比較したい時に便利です。
線で結ばれた面の大きさと、形状の美しさなどを視覚的に比較することで、データの大小やバランスを分析することができます。
レーダーチャートを見ることで、全体に占める項目ごとの割合やバランスを見ることやほかのデータとの比較がしやすくなります。
レーダーチャートを作るのにあたって項目数に制限はありませんが、一般的には4項目から5項目程度が一般的です。
多くても10項目程度にとどめるのが基本で、それ以上になると見にくくなってしまいます。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し、データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法、データの可視化手法。
②図表、グラフによるデータ可視化
・目的に応じた適切な可視化手法の選択による、他者へのデータの説明。
・不適切に作成されたグラフにだまされないこと、及びそのようなグラフを作成しないこ
と。
・データを分析して問題解決や効率化を図るためのツール(ソフトウェアパッケージ)
の活用。
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。