「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「相関と因果」です。
目次
大まかに説明すると
相関は、2つのものが互いに影響しあい、関連していることを示します。
一方、因果は、ある出来事が別の出来事の原因であることを指します。
相関は関係を数値化し、因果は原因と結果の関係を調査します。
注意が必要で、相関だけで因果を判断すると誤解を生む可能性があります。
例えば、焼きそばの売上とソフトクリームの売上が関連しているように見えても、実際には気温が影響している可能性があります。
因果と相関を混同しないように注意することが重要です。
相関と因果とは
相関とは、2つのものが密接に関わり合い、一方が変化すれば他方も変化するような関係のことです。
これに対して因果とは、2つ以上のものの間に原因と結果の関係があることを意味します。
いずれも2つ、またはそれ以上の項目があり、それらが関係していることを意味しますが、互いに変化する関係と原因と結果の関係なのでまったく別の関係です。
相関の特徴
相関では、2つの変数間の関係が定量化されます。
たとえば、2つの変数が同時に変動していることわかったとしても、1つの変数がもう1つの変数の結果と原因になっているとは限りません。
つまり、相関は必ずしも因果関係を意味しません。
相関と因果を混同せず、分けて把握することが大切です。
たとえば、夏の海の家で、焼きそば、おでん、ソフトクリームを売っている場合の売上の相関を分析するとしましょう。
焼きそばの売上が増えるにつれ、ソフトクリームの売上が増え、一方で、焼きそばの売上が増えるほど、おでんの売上が下がっていたとします。
この場合、焼きそばの売上とソフトクリーム売上の間には正の相関関係があると言います。
一方、焼きそばの売上とおでんの売上の間には、負の相関関係が見られる状態です。
また、焼きそばの売上が下がると、ソフトクリームの売上も下がり、おでんの売上が増えた場合、焼きそばとおでん、ソフトクリームとおでんの売上にも負の相関関係が認められます。
因果の特徴
因果は原因と結果の関係性を意味します。
たとえば、先の海の家の例でいえば、気温が高い日はおでんより焼きそばが選ばれ、暑いのでソフトクリームを食べる人が多いと分析することや気温が低い日はおでんが選ばれ、焼きそばやソフトクリームを食べる人は少ないといった原因を分析する方法です。
つまり、売上の変動を左右する原因として、気温という共通要因があると分析します。
それぞれの売上と、気温との間に因果関係があると考えるのが因果です。
注意点
相関と因果を混同すると、誤った把握をしてしまうので注意が必要です。
相関だけを見ると、焼きそばを食べる人はデザートにソフトクリームを食べたくなるのではないかと考えることもできますが、因果で見ると気温が原因となっており、焼きそばとソフトクリームに因果の関係がないと分析できます。
つまり、相関と因果は別々に考えることが大切です。
ソフトクリームの売上が上がるには気温が高いことが原因となるのに、相関関係から、冬場のイベントで焼きそばを売ればソフトクリームが売れると思って両者を用意しても、焼きそばしか売れない可能性があります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。
➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。