「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「回帰分析」です。
目次
大まかに説明すると
回帰分析は、数値と数値の関係性を調べる統計手法です。
データ解析や将来予測に使われ、例えば気温とアイスクリーム売上などの関係を分析します。
単回帰分析では1つの要因を、重回帰分析では複数の要因を考慮します。
これにより、将来の売上を予測し、無駄を省き効果的な経営を行うことができます。
未来の予測や意思決定に役立つ回帰分析とは
回帰分析とは、ある結果に対して、その原因が何かを明らかにする数値と数値の関係を調べることができる統計学的な分析手法です。
結果として出る数値を目的変数、原因となる数値を説明変数と呼びます。
目的変数と説明変数の因果関係を表す関数式を求めるために行われるのが回帰分析です。
回帰分析では、目的変数に対し、説明変数がどれだけ関係があるかの因果関係性を数値で表します。
何かの結果を表す数値の原因は何かを、原因と推測される数値を分析し、どのような形で影響を与えているのか規則性を明確にするために用いられる分析手法です。
1つの目的変数に対し、説明変数を1つだけ用意して分析する手法を単回帰分析と呼びます。
もっとも、実際の場面では1つの説明変数だけで分析を行うことはあまり多くありません。
通常は、1つの目的変数に対して複数の説明変数を準備したうえで、一体どの説明変数が最も関係しているかを分析していきます。
複数の説明変数を用いて因果関係を分析していく分析法のことは、重回帰分析と呼びます。
結果に対する原因との因果関係を推定したり、将来の事象を予測したり、シミュレーションを行う際に用いることが多いです。
将来予測に用いる
回帰分析は、マーケティングの場面でもよく使われます。
たとえば、その日の気温とソフトクリームやビール、おでんなどの売上の関係を予測するケースです。
ソフトクリームの売上という結果に対して、その日の気温が原因として、それぞれの記録から分析を行い、数式を導き出す手法は単回帰分析にあたります。
一方、気温だけでなく、降水量も原因として分析する場合、原因が2つになるので重回帰分析になります。
一般的には、説明変数を複数用意して分析することで、より精度の高い将来予測やシミュレーションを行うことが可能です。
このケースなら、単回帰分析から、「明日の気温は〇℃だから、ソフトクリームは△個用意しよう。」という予測をすることができます。
一方、重回帰分析を行えば、「明日の気温は〇℃だから、ソフトクリームは△個くらい売れる予測ができるけれど、雨が降る予報も出ているので、その分売れ残るから、□個用意すれば早期の売り切れも過大な売れ残りも残さず、売上を最大限に伸ばせる」と予測することが可能です。
もし回帰分析をしていなければ、天候にかかわらず、大量のソフトクリームを用意してしまい、売れ残って廃棄する損失が出るかもしれません。
逆にすぐに完売となってしまい、商機を逃すおそれもあります。
回帰分析をうまく活用することで、コストを最小限に抑え、無駄なく効果的に売上を上げていくことが可能になります。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。
➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。