「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「系統図」です。
目次
大まかに説明すると
系統図は事象やテーマを大→小に分けて示す図で、家系図や組織図などに使われます。
方策展開型は課題解決のために方策を考案し、構成要素展開型は事象の構成要素を整理します。
系統図を用いると目的や手段を視覚的に整理でき、漏れや抜けを防ぎ、効果的な対策が立てやすくなります。
経営課題や品質向上、チームの課題解決にも役立ち、思考を広げるのに有効です。
系統図とは
系統図とは、ある事象やテーマ、概念などを大きなものから小さなものへと枝分かれさせて展開していく図表のことです。
家系図や会社の組織図をはじめ、生物の系統図や医薬品の属性図、野球の試合のトーナメント表に至るまで、さまざまな事柄で系統分けして視覚化することができます。
系統図の種類
系統図は大きく分けて2種類のものがよく利用されています。
1つは方策展開型で、ある課題の解決などのために、いくつかの方策を考案していくものです。
目的と手段を枝分かれさせながら展開していくことで、より有効な方策を導き出すことが可能です。
もう1つは構成要素展開型で、物事や事象の構成要素を整理し、要素の相互の関連や要素の抜け落ちがないかをチェックするために用いられます。
これによって、業務の工程に非効率な部分がないかをチェックすることや製品製造のうえでトラブルなどが起きた際に品質に影響を与える要因を見つけ出し、工程の見直しなどにつなげることができます。
いずれにおいても、系統図を用いることで、目的と手段をわかりやすく分析、検討することが可能です。
目的や目標を達成するための手段や方策を多段的に展開していき、より効果的で具体的な手段や方策を追求すことができます。
系統図に示すことで視覚化でき、より多彩なアイディアを集めることや考えを広げて深めていくこと、考えの抜けや落ちを防ぐことにつながります。
系統図を利用するメリット
目的や目標を達成するために役立つ手段を系統的に洗い出して明確化できるため、取り得る対策の漏れや抜けを防ぎ、幅広く多彩な対策の検討が可能になり、より有効な対策が立てやすくなります。
企業経営においては、たとえば業務方針や事業計画から取り組む課題を系統図で抽出することやあるべき姿や理想とする姿から系統図を用いることで、そのためにどうすべきかの施策を具体化することができます。
チームで取り組むべき課題についても、系統図によって具体化することが可能です。
たとえば、営業目標を達成するための施策を展開して、一つひとつ検討評価を行い、実施すべき施策を明確化することができます。
製造現場において、品質不適合品を低減するためにはどうすべきかの対策を展開し、より効果的な対策を導き出し、実行することで品質向上を目指すなどです。
系統図として目に見える形で展開することにより、思考過程の全貌がわかりやすくなり、考えを広げ深めることができるので、身近な問題の対策立案にも有効です。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
2. 業務分析・データ利活用
目標「身近な業務を分析し,データの利活用によって問題を解決するための代表的な手法を理解し、活用する。業務を把握する際のビジュアル表現を理解し、活用する。」
説明「身近な業務を把握して分析する手法、代表的なビジュアル表現、データ利活用、OR(Operations Research)及びIE(Industrial Engineering)の手法を理解し、活用する。」
(2) 業務分析と業務計画
・業務を分析するための代表的な手法,データの可視化手法。
➀ 業務分析手法:図式などの代表的な手法を用いた,業務分析や業務計画
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。