「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「職能別組織」です。
目次
大まかに説明すると
職能別組織は、おおよそ機能別組織と意味は同じです。
職能別組織とは、役職や職能によって組織を編成する形態です。
例えば、マネージャーやエンジニアなどに分けて仕事をします。
人材は専門家でなくても、経験を積みながら成長しやすくなります。
部署ごとのスキル向上と専門性がメリットであり、部署間の垣根やコミュニケーションの難しさがデメリットとしてあります。
職能別組織とは
職能別組織とは、役職や職能によって、組織編成をする形態です。
たとえば、マネージャー、エンジニア、セールス担当などに分け、部署単位で仕事をしていきます。
人員配置とスキルの形成
職能別と言いますが、配属される人材は必ずしもその道のエキスパートではありません。
新卒で配属され、仕事をしながら職能を身につけて伸ばしていきます。
もちろん、関連した学部出身である場合や中途採用であれば、それまでに培ってきたスキルや経験を活かせることもあります。
ただし、ずっと同じ部署で職能を極めていくとは限らず、多くの企業では人事異動などを通じて、配置転換を行い、さまざまな職能を身につけていく形態の企業も少なくありません。
メリット
大きな企業になるほど、仕事内容も増えて複雑になるため、職能別に業務を担当することで、専門性が高まり、効率良く業務を回すことができます。
小さな企業でも、職能別に分担を行うことで業務が明確化し、業務効率を高めることが可能です。
職能ごとのスキルが高まり、専門性を高められるのもメリットです。
人事異動などをあまり行わなければ、その道のエキスパートが育ちます。
幅広い事例への対応やノウハウが蓄積されていくので、さまざまな問題にスムーズに対処できる体制が整います。
組織の体制がわかりやすく、経営陣からの指令もトップダウンで各部署に伝わりやすいです。
デメリット
部署間で摩擦が生じたり、競い合ったり、互いに垣根を作ってしまい、横のつながりが生まれにくいのがデメリットの一つです。
部署間のコミュニケーションが取りにくいことで、業務が停滞することもあります。
専門性を極めた人材を育てられる一方で、人事異動などを行わない場合には、ほかの部署の業務については理解が難しくなります。
関連部署の業務がわからず、適切な判断や対応ができない場合や社内全体を見渡しての対応ができないなどの問題が生じやすいです。
幅広い業務に精通するゼネラリストや社内全体を見渡して統率できるゼネラルマネージャーが育ちにくいのもデメリットの一つです。
複数の部署が絡むような問題やトラブルが生じた場合に、責任の所在がわかりにくく、他部署に責任を押し付けることや責任を逃れようとする動きも出やすくなります。
職能別組織と機能別組織の違い
(おおよそ同じ意味ですが、強いて言えば違う点をまとめました)
職能別組織は、組織を役職や職能によって分けるものです。
例えば、マネージャー、エンジニア、セールス担当などの役職別に部署が形成されます。
ここでは役職ごとに組織が編成されるため、同じ職種の人々が集まって一つの部署を担当します。
一方、機能別組織は、組織を研究・開発・生産・営業などの機能に分け、各部署が専門性を高めて製品やサービスを作り出す形態です。最高意思決定者の下に、専門職能ごとに組織が編成されます。
これによって、各部署が自身の専門知識を活かし、生産性を高めることができます。
要するに、職能別組織は役職や職能ごとに組織を形成して運営するのに対して、機能別組織は組織を機能別に分けて専門性を強化する点が違いです。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(3) 経営組織
・経営組織に関する基本的な考え方
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。