《 iパス用語解説》ヒューマンリソースマネジメントとは何か。大まかな説明付き。IT / ICT Glossary「IT担当者からのファーストリポート」
「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート（iパス）」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「ヒューマンリソースマネジメント」です。
目次
大まかに説明すると
ヒューマンリソースマネジメントとは、人材を組織目標に合わせて適切に配置・育成・評価することで、組織の成長を促進するための管理手法です。
人材戦略を策定し、採用や研修・昇進などのプロセスを通じて人材を最適に活用することで、企業の業績向上や社員の働きやすさを実現します。
また、社員のモチベーション向上やコミュニケーション改善など、人間関係の面でも重要な役割を果たします。
ヒューマンリソースマネジメント（HRM）とは？
ヒューマンリソースマネジメント（HRM）の意味は、人的資源管理です。
人的資源というのはまさに人材のことで、HRMは企業においての人材マネジメントと表現されることもあります。
人材という資源を有効活用するためにマネジメントするということは、具体的には有効な人材を採用し、必要な教育を施し、適材適所に配置することを意味します。
その仕組みがうまく噛み合うことで企業の経営戦略が実現しますが、どのような人的資源が必要かを予測して、的確にマネジメントすることは容易ではありません。
かつての経営資源は、商品やサービス、金銭が主でした。
その考えが発展し、情報や人材こそ大切な資源だというのが現在の経営の考え方です。
HRMの必要性とは？
HRMの必要性は、近年急速に高まっています。
先ほど少し触れましたが、かつては従業員などの人材は企業にとってコストであり、資源という考え方はほとんどされませんでした。
企業はいくつかの部門や部署で成り立っていて、それぞれが役割を分担して事業を推進しています。
実際に業務を進めるのは人ですから、事業がうまく進むかどうかは人次第です。
つまり、人材配置は非常に重要な経営戦略であり、十分に成果を上げるためには研修などの教育も必要ですし、チームの協調性を育てることも重要になります。
人はコストではなく企業の資産であり、人を大切にすることで経営を成功させる手法が現在必要不可欠な時代です。
従来は人をマネジメントするというと人事労務管理のみを意味していましたが、従業員がコストではなくなった今、人事労務管理ではなく人的資源管理が主流となったと言えます。
人は育て方次第で重要な資源になり得る、その発想の転換ができる企業のみが今後を生き抜いていくでしょう。
HRMとHCMとの違いは？
HRMに似た言葉にHCMがありますが、こちらはヒューマンキャピタルマネジメントのことで、人的資本管理と訳されます。
HRMは人を対象にしますが、HCMは人の能力を対象にする点が大きな違いです。
キャピタル（Capital）は資本の意味で、これが人の能力や経験にあたります。
HCMでは、事業目標を達成するために必要な能力を持つ人材を採用し、必要であればトレーニングを行って育成する点は変わりませんが、キャリアパスにもとづいた個人目標なども管理対象です。
たとえば、資格取得状況なども企業が把握し、それらの能力を経営に役立てながら個人の成長もサポートするアプローチも含まれます。
簡単に言えば、従業員が個人のスキルを伸ばすことが企業の利益になるという考え方です。
より個人的な能力に焦点をあてる点が特徴と言えるでしょう。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ：ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために，企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し，解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(2) 経営管理 / ヒューマンリソースマネジメント
・経営管理に関する基本的な考え方
・経営管理におけるヒューマンリソースマネジメント（人的資源管理）の重要性
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。
