「IT / ICT Glossary」シリーズでは、主に国家資格「ITパスポート(iパス)」に関連した用語を解説致します。
iパスの学習範囲は「企業と法務」など、システム以外の分野も含まれていますので、業種・職種に関わらず、社会生活を送る上で、とても参考になると考えています。
今回のキーワードは「決算」です。
目次
大まかに説明すると
企業が一定期間(通常は1年間)の間に、どれだけのお金を稼いで、どれだけのお金を使ったかをまとめた報告書のことを「決算」と言います。
企業の収入や支出、利益や損失が記載されており、株主や投資家が企業の健全性や経営状況を把握するための重要な情報源です。
決算には、損益計算書や貸借対照表などが含まれます。企業が正確な決算を行い、健全な経営を行うことが求められます。
決算とは
決算は、企業や個人事業主などが一定期間における収入と支出を計算し、どのくらいの利益が出たかを確定させる作業です。
事業を通じて得た売上や投資によって稼いだ売買益などの収入から、仕入れ費用や人件費、光熱費などの支出を控除して所得を出します。
そこにかかる税金を計算して、法人税や所得税、地方税などの支払いを行います。
決算を行うためには日々の売上や費用を帳簿につけ、管理していくことが必要です。
決算の頻度
決算は法人や個人事業主においては、最低でも1年に1回は行い、税金を申告しなくてはなりません。
個人事業主の場合は毎年1月1日~12月31日までの期間が会計年度となります。
法人の場合は、それぞれが設定した事業年度の1年間です。
1月1日が事業年度の始まりの企業もあれば、4月1日~3月31日の企業、そのほか、創業した月などにより、それぞれ定めることができます。
税金を申告するために1年に1回、年度末に行うことが必要ですが、一般的には月ごとに月次決算を行い、半年経過したところで中間決算を行い、年度終わりに最終決算を行うケースが多いです。
決算の目的
決算の目的は、納税義務を果たすために税金の計算を行う目的のほか、事業における収支や財務状況を確認、分析して経営戦略に活かすこと、株主や取引先、金融機関や投資家などに対して経営状況を知らせるという目的もあります。
決算を行って税務申告書を作成するだけでなく、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書などの決算書類が作成されます。
これらの書類から、現在の収支状況や資産状況、過去一定期間の収支やお金の流れが把握でき、今後のお金の使い方や経営戦略を考えることに役立てることが可能です。
株主や取引先は、こうした決算書類を確認して、今後も投資をすることや取引をして安心かなどの検討ができます。
金融機関や投資家は決算書類から経営状態や財務状態を分析し、融資の審査を行うことや投資対象として最適かを検討します。
補足:決算書類からわかること
貸借対照表は、負債・純資産の部と資産の部から成り立つ書類です。
負債・純資産の部から、どうやって資金を調達したのかがわかり、資産の部から、その資金をどのように運用してしているかがわかります。
損益計算書は、どのように儲けたのかがわかる書類で、利益の源泉とかかったコストがわかります。
キャッシュフロー計算書は、現金の流れがわかり、売掛金など、まだ回収できていないお金ではなく、実際に使える手元の現金を知ることで、会社の体力がわかる書類です。
本キーワードの関連情報
今回のキーワードは、ITパスポート試験シラバスの、以下カテゴリに分類されています。
試験のご参考にもなれば幸いです。
カテゴリ:ストラテジ系 / 大分類1「企業と法務」 / 中分類1「企業活動」
1.経営・組織論
目標「企業活動や経営管理に関する基本的な考え方を理解する。」
説明「担当業務を理解するために,企業の基本的な活動全体を理解する。担当業務の問題を把握し,解決するために必要なPDCA などの考え方や手法を理解する。」
(1) 企業活動と経営資源
・企業活動の目的と基本的な考え方
・経営におけるヒト,モノ,カネ,情報に対する考え方や管理・手法の意義と必要性
参考・引用元資料
【ITパスポート試験】試験内容・出題範囲
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/html/about/range.html
ここまで読んで頂いて、誠にありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願い致します。